心療内科・精神科とよだクリニック

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2021年の一覧

  • 認知症学会専門医認定について お知らせ
    • 当院院長が認知症学会の定める専門医講習を受講、症例レポート、筆記試験に合格し、令和3年4月より認知症学会専門医、指導医として認定されました。

      今後は専門医として認知症診療にも力を注ぐ所存です。

  • 心療内科 パニック障害 (加古川市の精神科院長ブログ) 精神科コラム
    •  本日のテーマはパニック障害です。加古川市心療内科クリニックの院長のブログです。パニック障害とは動悸や発汗、息苦しい、眩暈感、死んでしまうのではないか、気が狂ってしまうのではないかという恐怖感が発作的に出現するパニック発作が特徴です。

      高速道路を走行中や電車に乗った時などに恐怖感を呈する広場恐怖を伴うことも多いです。兵庫県加古川地域では一級河川である加古川の土手道や加古川バイパス、東播磨道路やJR神戸線、特に新快速電車で症状を呈する方が多いという印象を受けています。パニック発作や広場恐怖があると回避行動を取るようになり、苦手な道を避けて遠回りする、電車やバスを使わず自転車や徒歩の生活をする、苦手な店に行かない、行けないようになり、ひどい場合には出勤・登校できない状態になります。

       当院で行うパニック障害の治療は疾病教育、薬物療法、行動療法です。パニック発作では呼吸器、循環器、脳に関する激しい症状が出るのが特徴です。このため死ぬのではないかと怖くなるのですが、初診時に「パニック障害は症状が派手だけど命に関わらない、薬が良く効く病気です。」と説明をさせていただいております。敵の正体・実体を知る(理解する)ことが第一です。そのうえで、SSRIなどによる薬物治療と行動療法を行っています。行動療法は元の生活に戻るための練習です。電車へ乗れなくなったら一区間普通電車に乗る練習(加古川―東加古川間など)、バイパスに乗れなくなったら加古川ランプ-加古川西詰など一番短い区間を走行する練習などを何回もお試しいただきます。1つ目の目標が達成出来たら次の目標を設定、その人の生活に必要なところにゴールを設定して、診察の度に、患者様と医師がいわば作戦会議をしている形です。当院の患者様は皆様一生懸命取り組んでくださり、一区間の乗車が無理だった学生さんが、「今から新大阪まで行って、そこからバス旅行に行ってきます!」との報告や、地元でしか買い物出来なかったご婦人が大阪梅田や心斎橋まで買い物に行った連絡をいただくのは主治医として本当にうれしい瞬間です。パニック発作や広場恐怖でお困りでしたら、お住まいの近くの精神科・心療内科クリニックにご相談されることをお勧めします。

  • 発達障害 心療内科(加古川市の精神科院長ブログ) 精神科コラム
    •  本日のテーマは「発達障害 心療内科」です(JR加古川駅前で精神科・心療内科クリニックを開設しております)。以前の記事にもお書きしましたが、私が精神科に入局した平成3年当時、精神科医の主な仕事は単科精神科病院の入院患者様を担当することでした。大学病院では発達障害は小児科の担当か精神科の児童思春期グループの仕事というイメージ(認識)でした。約5年間勤務した精神科病院では発達障害の患者様を担当することはありませんでした。しかし振り返ってみると発達障害に対する無知や無関心が原因で、適応障害の背景にある発達障害や他の精神障害に併存する発達障害に気づきにくいケースや聴覚過敏などの症状を統合失調症と誤診していた場面があったのではないかと自戒しております。

       加古川市で精神科・心療内科クリニックを開業して以降、日常の診療や精神科顧問医・嘱託産業医として出務した会社・企業での相談業務の中で、不登校、出勤困難、学校や職場での問題行動の背景に自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害など発達障害が存在することを多数経験しております。このため初診の段階で発達障害の疑いがある患者様にAQ-JやA-ADHDなどのスクリーニング検査を実施し、必要と判断した場合に公認心理士による検査(WAIS-Ⅳ、Rorschachテスト、ブルドン末梢テストなど)を実施しております。加古川市内では精神科病院や市民病院、一部クリニックで同様の心理検査が実施されていますので、不注意や多動などの特性、コミュニケーションや拘りが強く融通が利かない、空気が読めないなどの特性ために社会生活上困っている方は近くの医療機関にご相談・お問合せされてはいかがでしょうか。

  • 心療内科 カウンセリング(加古川市の精神科院長ブログ) 精神科コラム
    • 「心療内科 カウンセリング」というテーマについてお話します。この記事は、加古川市の精神科・心療内科クリニック院長のブログです。

       患者様から電話やメールで「カウンセリングはやっていますか?」との問い合わせを受けることは少なくありません。残念ながら当院ではカウンセリングは行っていません。「心療内科 うつ カウンセリング」の記事にも書きましたが、精神科、心療内科、メンタルヘルスクリニック等の医師(ドクター)は患者様のお話をお聞きし、診断、投薬をし、必要な指導や助言を行います。「先生のカウンセリングで調子が良くなりました。」とのお言葉をいただくこともありますが、これはカウンセリングとは異なります。診察場面は症状や治療方針について相談をする場であり、じっくりと時間をかけて心(こころ)の中を整理し、問題を解決するカウンセリングを行う場所ではないのです。

       カウンセリングは臨床心理士や公認心理士など心理職が担当いたします。当院には隔週の火曜日に公認心理士が出務していますが、主に発達障害関係の心理検査業務を行います。また、カウンセリングは基本的に保険の効かない自費診療です。混合診療(自費診療と保険診療を同じ医療機関で行うこと)は禁止されていますので当院の施設内でのカウンセリング実施は控えております。他院ホームページでは専門職によるカウンセリングを実施するとの掲示(案内)を目にすることがありますが、事前に併設施設での自費診療なのか、保険診療なのか確認された方が良いと考えます。それ以外の形態としては臨床心理士、公認心理士が自らカウンセリングルームを開設し患者様(この場合はクライアントという)と契約を結びカウンセリングを行うものもあります。その他企業に雇用あるいは契約関係にある産業カウンセラーが社員に対して行うカウンセリングもあります。私が精神科顧問医として出務している加古川市内の企業様では「なんでも相談室」が開設されており、産業カウンセラーが社員のカウンセリングを行っています。また市内ではありませんが、私が嘱託産業医として出務している会社ではメンタル不調の社員様と定期的に面談して相談・助言を行っています。会社員の方の場合は健康管理センターなどに問合わせてはいかがでしょうか。

  • うつ病 大学生 不安 精神科コラム
    •  「大学生の不安やうつ病」をテーマにした記事です。JR加古川駅前にあるサンライズ加古川で精神科・心療内科クリニック院長のブログです。

       毎年5-6月頃になると大学のみならず、小中学校、高校など学校に行けないため診断書を求めて受診される学生さんが増えます。テーマにもとづいた大学生の場合、遠方の大学に通学するために早起きし、帰宅も遅くなる、一人暮らしを始めたなどの環境変化に対して4月は緊張状態を保って何とか適応していたけれど、ゴールデンウィークに緊張が解けて寝っぱなしになり、GW明けから眠れない、朝が起きられないなど、環境への不適応や生活リズムの乱れもありますが、大学生などの青年期は多くの精神疾患の好発期でもあります。電車やバスに乗った途端急に恐怖感や呼吸困難感、動悸などの症状が出現し乗れなくなり、通学が出来なくなるパニック障害、初対面の大勢の人の前で挨拶や発表などをすることが怖くて教室・講堂には入れない社会不安障害など不安障害の学生さんも珍しくありません。またうつ病や双極性障害など気分障害のため気分が憂鬱で無気力になり学校に行けない人もいます。また昨年からのコロナ禍で孤立した状態で孤独感から不安や憂うつなやる気の出ない心身状態になった学生さんはとても多いと思います。多くの大学には保健センターが併設されており、精神衛生相談など実施しています。カウンセリングの上治療が必要と判断された場合には、大学や下宿、自宅の近くの精神科・心療内科を受診されては如何でしょうか。

  • うつ病 種類 診断 精神科コラム
    •  うつ病の種類と診断というテーマでお話しします。兵庫県加古川市にある精神科・心療内科クリニックの院長のブログです。うつ(鬱)病はうつ状態だけが出現する単極性うつ病(大うつ病性障害)とうつ状態と躁状態を繰り返す双極性障害に分類されます。双極性障害は躁病相の違いにより、典型的な躁状態を呈する双極Ⅰ型障害と軽躁状態を呈する双極Ⅱ型障害に分類されます。双極性障害の患者様も最初はうつ病相から発症するため、長期間うつ病として治療を受けておられるケースが少なくありません。特に躁病相が軽い双極Ⅱ型障害の方の場合、軽躁状態の時に、やっと回復した、元気になった、これが本来の自分であると感じる方も多く、周囲の人も気付かず、診察室でもうつ病相のことしか話さないことが多いので注意が必要です。

       単極性のうつ病(大うつ病性障害)と双極Ⅱ型障害の鑑別はとても重要です。それは治療、有効な薬剤が違うからです。鑑別のためには何よりも丁寧な問診、病歴の聴取が必要です。CTやMRI、SPECTなどの放射線科的検査や脳波などの生理検査、血液検査で鑑別出来るバイオマーカーが存在しないからです。最近NIRS(近赤外線スペクトロスコピー、光トポグラフィー検査)がうつ状態鑑別診断の補助に用いられるようになりました。NIRS専門外来を行っている医療機関もありますし、主治医と相談の上紹介受診することも可能です。しかしあくまで補助で有り、診断には丁寧な問診が大切なことは先述したとおりです。

  • うつ 薬 副作用 精神科コラム
    • うつ・薬・副作用というテーマについて・・・。この記事は、加古川市にある心療内科クリニックの院長のブログです。うつ(鬱)病治療の基本は十分な休息と薬物利用です。しかしながら患者様には薬の副作用を心配(不安視)されて服薬を躊躇される方も少なくありません。今回はうつ病の治療に用いられるお薬と主要な副作用についてお話しします。

       うつ病の治療薬として最も古いものにイミプラミン(トフラニール)、アミトリプチン(トリプタノール)などのTCA(三環系抗うつ薬)があります。TCAは抗うつ薬の共通の作用部位であるセロトニンやノルアドレナリン再取り込み阻害作用以外に抗コリン作用、抗ヒスタミン作用、抗アドレナリンα1作用があり、口渇、便秘、排尿障害、眠気、肥満、立ちくらみなどの副作用がみられます。次に開発されたミアンセリン(テトラミド)など四環系抗うつ薬では眠気やふらつきなどが主な副作用です。

       その後セロトニン、ノルアドレナリンに選択的に作用するセルトラリン(ジェイゾロフト)、エスシスタプラム(レクサプロ)などSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やデュロキセチン(サインバルタ)などSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、ミルタザピン(レメロン)のNaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)が発売されて現在のうつ病治療の主役となっています。SSRIでは吐き気、食欲不振、下痢などの消化器症状、SNRIでは吐き気、排尿障害、頭痛など、NaSSAでは眠気・体重増加などの副作用が生じます。

       抗うつ薬に限らず副作用のない薬はありませんが、重篤な副作用は希であり、上記の副作用は工夫により軽減出来るし、慣れてきます。負担のないよう少量からスタートしてゆっくりと増やす、副作用を和らげる薬(例えば吐き気がある場合は胃薬)を併用することでほとんど気にならない程度に軽減します。また、眠気のある薬は夕食後または寝る前に服用することで、副作用はむしろ睡眠の改善(不眠対策)をもたらす効果へと転じます。

       精神科の専門医は抗うつ薬の効果、副作用について熟知しており、不快な副作用を出来るだけ少なくする工夫をして、薬物治療の導入、維持、終了をお手伝いします。憂うつな状態が継続している場合は、お近くの精神科・心療内科のクリニックにご相談されては如何でしょうか?

  • 高齢者うつの特徴 精神科コラム
    • 今回は「高齢者のうつ病の特徴」についてお話します。加古川市のサンライズ加古川ビルにある精神科・心療内科クリニック院長のブログです。

      鬱(うつ)病とは憂うつで身体がすぐれない状況が2週間以上ほぼ毎日見られる状態です。いずれの年齢でもみられますが、高齢者のうつ病にはいくつかの特徴があります。

      まず背景因子として高血圧、脳の病気、心筋梗塞、糖尿病、慢性関節リウマチ、癌などの身体疾患に罹患しやすい、仕事の引退や転居、子供の独立、配偶者や親しい人との死別など気分が塞ぎ込む原因・理由があるためうつ病と気づかないことがあります。

      さらに高齢者のうつ病には症状としての特徴があります。めまい、ふらつき、頭が重い、肩こり、腰痛、便秘、不眠など身体疾患が前景に立ち、気分が憂うつであることを自覚することが少なく内科など身体科を受診される「仮面うつ病」の形を取ることが多いです。不安や焦燥感が強く、自殺のリスクが高いことも注意すべき特徴です。「ものが覚えられなくなった」、「日付や曜日が分からない」など物忘れを深刻に悩んで受診され、スクリーニング検査では「わからない」を繰り返される方の中にうつ病による認知機能障害である「仮性認知症」の方がいらっしゃる一方で、うつ症状を訴えて受診される高齢の患者様の中にレビー小体型認知症など認知症のBPSD(行動・心理症状)の方が一定数おられるので注意が必要です。

      うつ病も認知症も精神科・心療内科の医療機関で診断・治療が可能です。気になる症状がある、またはお悩みの場合はお近くの医療機関にご相談ください。

  • うつの症状と頭痛について 精神科コラム
    • 今回のテーマは「うつ病の症状と頭痛」です(加古川市・加古川駅前で精神科・心療内科クリニックの院長をしています)。

      前回のブログでもお書きしましたが鬱(うつ)病では身体症状が多くみられます。なかでも頭痛、肩痛、腹痛など痛みに関する訴えは頻度が高く、約6割の患者さんで何らかの痛みがみられます。当院外来でも頭痛など痛みを訴える患者様が多いと実感しています。患者様は頭痛が続くため脳神経外科、整形外科などを受診されるのですが「異常なし」と診断され、鎮痛剤を処方されても効果がないために精神科・心療内科に来院されます。

      うつ病で痛みが生じるメカニズムはよくわかっていませんが、モノアミン(セロトニンやノルアドレナリンなど)の減少との関係が推測されています。身体には「下行性疼痛抑制系」という神経があり、うつ病ではモノアミン、特にノルアドレナリンの機能低下により痛みを抑える力が低下しているため痛みを感じやすくなると考えられています。

      うつ病による痛みの治療はうつ病の改善につきますが、抗うつ薬の中でもノルアドレナリンの働きを促進する薬が使われます。古くはイミプラミン(トフラニール)、アミトリプチン(トリプタノール)など三環系抗うつ薬が使われていましたが、最近では口喝、便秘や体重増加などの副作用が少ないSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)であるミルナシプラン(トレドミン)やデュロキセチン(サインバルタ)が用いられることが多いです。ノルアドレナリンに対する効果のある薬剤は痛みを改善するのみならず億劫、楽しめないなどの残遺症状を軽減し、日常生活の質を改善できる可能性があります。

      脳神経外科や整形外科など身体科を受診しても検査所見に異常がみられない痛みと気分が憂うつな状態が続いているときにはお近くの精神科・心療内科にご相談されてはいかがでしょうか。

  • うつ 初期症状 治療 精神科コラム
    • 今回は「うつ病の初期症状と治療」というテーマです。うつ状態とは憂うつな状態が2週間以上続いている状態であり、原因としてはうつ病だけではなく、躁うつ病(双極性障害)、統合失調症、喪失体験による悲哀反応など様々です。ここでは鬱(うつ)病の症状についてお話します(※この記事は、加古川市の精神科・心療内科クリニック院長のブログです)。

       うつ病では気分が沈んで憂うつ、不安・心配やイライラ、意欲がなくなり億劫、興味がなくなる、趣味が楽しめない、集中できず仕事等作業の効率が悪くなるなどの精神症状がみられます。重度になってくると自己否定がみられ、自分はつまらない、価値のない人間だと感じるようになります。真面目な社員が会社に迷惑をかけるのでと退職願いを出したり、よき夫(妻)が迷惑を掛けるので離婚したいと申し出ることもありますし、自己否定や罪業感から自殺を考えるようになります。不眠(寝つけず朝早く目覚める)や食欲不振、食べ物の味が感じられないなどの症状もよく見られます。うつ病の初期症状としては不眠と不安に関連した症状が多いようです。

       うつ病では身体症状も出現し、体がだるい、頭痛や首筋・肩のこり、息苦しい、喉が詰まった感覚などが良くみられる症状です。これらの症状を主訴として内科や耳鼻科、脳外科などを受診される方も少なくありません。

      その他うつ病を疑う特徴としては朝が特に調子が悪い(日内変動)、几帳面・生真面目などの病前の性格などがあります。

       うつ病治療の基本は心身の休息と薬物療法の2本柱です。仕事や家事など業務の軽減を行い、状況によっては診断書を提出して休業することや、実家などで療養するなど転地療法が必要なこともあります。自己否定して死にたい、自分は生きている価値がないなどの希死念慮が強い場合には一時的な入院が必要な場合もあります。うつ病の薬物療法はSSRI、SNRIなどの抗うつ薬が中心となります。十分な量を十分な期間使用しなければなりませんが、症状が改善し、元の生活に復帰できた後は徐々に減量することができるので過剰な心配は不要です。

      うつ病も身体疾患と同じく早期発見・早期治療が大切です。上記の症状がみられる場合には早めにお近くの精神科、心療内科の医療機関を受診されることをお勧めいたします。

       

       

  • 精神科長期入院の理由について 精神科コラム
    • 今回は「精神科病院での入院が長期にわたる理由」についてお話いたします。加古川市、JR加古川駅前にある精神科・心療内科クリニックの院長のブログです。

       以前のブログにもお書きしましたが、私が精神科に入局した平成3年ごろ精神科病院の患者様の大半は長期間入院されていました。親が元気な間は盆や正月に外泊されたりしていましたが、兄弟姉妹の代になると面会すらほとんどない状況の方もいて、医師として無力感を感じていました。この頃の入院は社会的入院と呼ばれており、幻覚や妄想などの症状は改善しているけれど帰るところがないため病院を住まいとして入院しているという側面がありました。もちろん幻覚・妄想などの陽性症状は改善しても、意欲・発動性、実行能力低下などの陰性症状が強く自立した生活を送るのが難しい方が多かったことも理由の1つであったと考えます。

       その後新規抗精神病薬(第二世代抗精神病薬)が治療の主流となり、神経内科クリニック、心療内科クリニックという名称で受診しやすくなった精神科で比較的早期に治療を受ける方が増えたため、入院に至らず外来で治療継続が可能な患者様が増えてきています。政府も精神科病院の長期入院を回避する政策を打ち出し、急性期病棟が作られ早期退院が推進されています。前述のように退院後の居場所がない患者様、一定の援助を必要とする患者様のためのグループホームなども作られ私が精神科医になった時に比べればかなり長期入院の患者様は減っていると実感しています。現在も入院期間が1年以上に及ぶ患者様も一定数おられます。その理由は向精神薬が効かない、効果不十分など患者様の持つ疾病性が関係しているものと思われます。最初は十分な効果がみられたのに、治療を中断して症状の再燃を繰り返すうちに薬が効かなくなる方も多数経験しています。治療の中断については主治医と十分に話し合うことをお勧めします。

       これまで長期入院は当たり前として捉えられた精神科の入院治療ですが、現在は在院期間の短縮を目指して様々な工夫が行われています。

  • 精神科行くべきか(行きづらい)? 精神科コラム
    • 今回は「精神科に行くべきか?行きづらい」というテーマでお話いたします。加古川市で心療内科・精神科クリニックの院長をしています。

       皆様は気分が憂うつ、イライラする、眠れない、小さなことが気になるなど心が辛い症状※がある時に精神科を受診した方が良いかもしれないけど、何となく敷居が高い、何となく怖そうだ・・と躊躇された経験がおありではないでしょうか?

       精神科というと地元の精神科病院の閉鎖病棟などのイメージがあり、余計に抵抗感が出るのかもしれません。実際私が医師免許を取得した平成3年頃、大学病院の精神科医局に入局し、研修を終えてから派遣される医療機関はほぼ単科の精神科病院でした。精神科病院には長期入院の患者様が多く、外来を受診される患者様も入退院を繰り返している方がほとんどでした。不眠症や仕事の悩みなどで受診されるには敷居が高かったと思います。

       その後精神科を専門とされる先生方が~神経内科クリニックという形でメンタル不調の患者様にできるだけ門戸を開いた形で開業され、その後心療内科の標榜科が認められてから~心療内科クリニックという名称で開業する医療機関が急激に増えてかなり敷居が低くなってきたと実感しています。最近では~こころのクリニックや~こころのホスピタルなど優しい名前の医療機関が増えてさらに敷居が低くなっています。

       これら神経内科クリニック、心療内科クリニック、こころのクリニックなどはほぼ全て精神科を専門とする医師が開設しています。受付や待合室、診察室も明るくリラックスできるよう設計されていますので、安心して受診されれば良いと思います。

       また精神科の医療機関に出入りしているのを他人に見られるのに抵抗がある方が一定数いらっしゃることは以前から指摘されています。そのような場合は商業ビルなどの中で開業している医療機関を受診されると良いかもしれません。当院は加古川駅前のランドマークの1つであるサンライズ加古川ビル4階にあります。道に面した入り口はなく、エレベータ利用でアクセスできます。お近くで精神科受診される時も同じような立地のクリニックが受診しやすいのではないかと存じます。

      ※次のような症状があるようでしたら注意が必要です。早めの受診をお勧めします。

      夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、食欲不振、頭痛、思考力や集中力の低下など。

       うつ病の大半は睡眠障害を合併しており、長く続く場合は要注意です。またうつ病では頭痛など疼痛を伴うことも少なくありません。症状が日常生活に支障をきたすようでしたら、いっしょにストレスの原因を探り、回復に向けてサポートをいたします。どうぞ怖がらずに受診してください。

  • 精神科の作業療法の目的 精神科コラム
    • 今回のテーマは「精神科で実施されている作業療法の目的」です。JR加古川駅前のサンライズ加古川ビルで精神科・心療内科クリニックを開業している精神科医のブログです。

      皆さまは作業療法と聞いてピンとくるでしょうか?作業療法は理学療法と同じくリハビリテーションの1種で手や体を動かす作業活動を用いて指導・援助する治療です。リハビリテーションはWHO(世界保健機関、1981年)によると「能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行う・・(以後省略)」と定義されています。精神科における作業療法は精神疾患により低下した能力を改善するためのリハビリで作業療法士により実施されます。社会復帰を目的とした家事動作訓練や就業前訓練もありますが、患者様の症状や状態に合わせて、気分転換や自信をつける、ストレス発散など症状の安定を目的としたり、対人関係や社会性の改善を目的とするもの、生活リズムや体力・活動性の改善など日常生活への援助を目的としたものもあります。例えば、手工芸やカラオケなどの娯楽、脳トレのための体操のみならず、日常生活に即した技能も訓練します。

      多くは精神科病院で入院患者様や一部の外来の患者様のために実施されていますが、一部の診療所においてもデイケアの中で実施されています。悲観的感情や人との交わりなどにおいて苦手な方へ、健康的な生活のお手伝いをします。

  • 心療内科で初診を受ける場合のお薬について 精神科コラム
    • 心療内科で初診を受ける場合のお薬をテーマに…加古川市にある心療内科・精神科クリニック院長がお話しいたします。今回も答えは「ケースバイケースで、出る場合もあれば出ない場合もある。」です。当院でも安心して受診していただけるよう全体的流れから説明してます。不眠などのお悩みを訴え受診される患者様を例に例えますと、既に大量の睡眠薬をかかりつけ医から処方されているにも関わらず不眠を訴えておられるケースが少なくありません。このような場合、ご家族からも家庭での様子をお聞きする必要があります。夜は確かに眠れないが昼間はずっとウトウトしている、20時頃就寝して深夜2時前後に目が覚めてその後眠れないなど生活そのものに大きな問題がある場合は生活指導が第一となります。

      また妊娠中あるいは授乳中である方の場合は児へ影響が懸念されるため処方に注意が必要です。このような場合、まず本当に投薬が必要かどうかを話しあった上で「妊婦・授乳婦に対する薬の使い方」などの参考資料をもとに投薬を行います。ご希望に添えないこともあり、一部の患者様が立腹されることもあり、専門医・医師にとっても悩ましい問題です。

      次に問題となるのは、依存症や乱用です。向精神薬には依存や乱用の問題があります。特定の薬剤名を指定して処方を求められる方の中には、常用量を超えて服用するため、複数の医療機関で最大量の投薬を求められる方がいます。代表的なものが抗不安薬や睡眠導入剤です。以前はメチルフェニデートを求めて電話を掛けて来られることも多かったのですが、メチルフェニデートの登録制により今はなくなりました。また初診で「受診する時間がないから最大日数を出してほしい。」とお願いされる方もいますが、向精神薬も他の薬剤同様、薬疹など重篤な副作用がでることもあり、少量から開始し、短い間隔で受診いただき、効果と副作用を確認する必要があるため、原則として初診で長期投与することはありません。例外として初診で長期投与するのは症状が安定した状態で転居などにより転院されるケースで、前医からの紹介状があるケースに限定などです。その場合もバルビツール酸やブロムワレリル尿素など危険性の高い薬剤を処方されている場合などは前医通りの処方をお断りすることがあります。安心・安全かつ効果的な治療を行うためですのでご理解をいただければ幸いです。なお、来院時には、健康保険証、他お持ちであるならば各種医療証、また、別の医療機関を受診されている場合は、お薬手帳か現在服用中の薬がわかるものを持参してくだい。

  • 心療内科での診断書と休職について 精神科コラム
    • 心療内科での診断書と休職についてお話しいたします。加古川市にある心療内科・精神科クリニック院長の診断書シリーズ第3弾ブログ記事です。当院でも診察を行い、休職・復職については患者様の希望も確認し判断しておりますが、既に何日も出勤出来ていない、出勤しているが仕事のパフォーマンスが上がらない状況のことをそれぞれAbsenteeism、Presenteeismと言い精神科産業医学の分野で重要な問題となっています。うつ病、双極性障害のように疾病性が高く、所謂ドクターストップの状態であれば迷わず休業をお勧めして、診断書を作成しますが、小規模の事業所の場合1人の欠員が出ることにより業務が回らないため、退職を勧奨されることもあり、勤務先の状況をよくお聞きした上で休業せず治療を行うこともあります。ケースとして、新卒入社や、転職、異動などの環境の変化やハラスメントからストレスを抱えているという環境調整の相談を多く受けます。

      上司と折り合いが悪い、希望しない業務内容変更や異動を命じられたなど環境への不適応から不安・抑うつ状態を呈し休業を希望される場合には、診断書発行に躊躇しますし、注意が必要です。休業しても復帰時の環境が同じであれば同じことの繰り返しになるからです。休業を繰り返した結果、傷病手当(同一疾病での支給は1年半で打ち切りとなる)がもらえなくなり生活に困窮する、会社の規定による休業期間満了のため退職に至るリスクがあります。

      辛い、気持ちの落ち込み、無気力、不眠、食欲なし、仕事のスピード落ちた、集中力が落ちたなど、症状は様々ですが、患者様の病状や環境調整の必要性について診療情報提供書で産業医に相談することが望ましいですが、従業員が50人以下の事業所には産業医がいませんし、100人程度の事業所の場合、1か月に1回程度の出務のため、対応に苦慮することがあります。自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など発達障害を背景とする適応障害の場合は特に産業医や人事労政担当部署などとの連携が必要となります。休業の診断書を提出した上で、産業医との連携が重要です。お悩みから、適応障害・うつ病などメンタル面の不調をきたし休職というのは珍しくはありません。これら出口戦略について十分話し合った上での対応を心がけています。

       

  • 心療内科の診断書はすぐもらえる? 精神科コラム
    • 心療内科の診断書はすぐもらえる?というタイトルで書いてまいります。加古川市にある心療内科のクリニック院長のブログです。患者様から「診断書はすぐもらえますか?」という質問を受けることがしばしばあります。答えは「どちらとも言えない、内容によります。」です。あらためまして診断書とは、うつ病など心の病気で学校や会社を休む際に必要となる書類です。

      心療内科 初診 診断書」のブログにも書きましたが、診断書と一口に言っても、クリニックの書式で作成する休業や配慮に関する診断書は即日発行可能です。手書きであれ、ワープロ入力であれ、「診断名~:上記のため、〇年□月△日から~1か月の見込みで休業・加療を要する。」程度の、病名、治療内容、治療期間などが書かれた文章ですから他の方の診療に影響なく作成できるからです。

      一方で最も時間が掛かる診断書が障害年金、精神保健福祉手帳の新規申請用の診断書です。カルテの内容を確認して、記載内容に齟齬がないか、聞き取り出来ていない内容は次回診察時に確認することもあり、1人の診断書作成に1時間近く掛かることもあります。自立支援医療の新規申請の診断書もこれに次いで時間が掛かります。

      復職に関する診断書もクリニックの書式であれば当該患者様の診察時間内で即時発行できますが、会社の様式のものは記載内容が多く、時間を要し、結果として他の患者様の待ち時間が長くなる可能性があり、持参当日の作成は困難です。予め時間的余裕を持ってお預けいただければ後日期限内にお渡しできます。

      精神科医の仕事の半分は書類作成だと研修医の頃お世話になった精神科病院の副院長から教えられました。なかでも診断書の提出は、本人・会社にとって正当な休暇であることをまたは、症状によって支援や手当を受けられることもあり、症状を証明する重要書類です。

      患者様にご不便をお掛けしないように週に2-3日は10時ごろまで書類作成のため残業しております。可能な限り余裕を持って書類作成を依頼していただければ幸いです。

       

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