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精神科におけるデイケアの対象者について
精神科コラム
《2023年4月2日16:46 公開》
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精神科におけるデイケアの対象者となる患者さんや疾患についてのコラムです。
精神科におけるデイケアとは
精神科デイケアとは、入院せずに通院する形式の日帰りリハビリテーションのことです。精神疾患の再発防止や入院予防、さらに退院後の社会生活に戻るためのスキルと知識を身につけるために提供されます。一定期間、患者に治療と支援を提供します。
通所リハビリテーションとして、デイケア、ショートケア、ナイトケア、デイナイトケアの4種類があります。定員は種類によって変動しますが、例えばデイケアであれば小規模施設30人、大規模施設70人程度です。
病院により運営している種類も違いますので、検討される際は担当医と相談が必要です。
精神科におけるデイケアの対象者とは
精神科デイケアは、精神疾患があっても比較的症状が安定しており、入院の必要がない、通院治療をしている方になります。
具体的には、うつ病や不安障害、統合失調症、双極性障害などの精神疾患、発達障害を抱える方々が挙げられます。
デイケアに参加する前には、医師や看護師などの専門家との相談が必要です。患者の症状や状況に応じて、入院治療やその他の支援方法が必要とされる場合もあります。
精神科デイケアの対象となる疾患
精神科デイケアの対象となる疾患には、以下のようなものがあります。
・うつ病
・不安障害
・双極性障害
・統合失調症
・適応障害
・パーソナリティ障害
・アルコール・薬物依存症
・その他の精神疾患
・発達障害
・その他、摂食障害、睡眠障害、強迫性障害、パニック障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など
ただし、デイケアの種類や施設によっては、対象疾患に制限を設ける場合もあります。
詳しい情報は、各施設のホームページや担当医師にお問い合わせください。
精神科デイケアの利用方法は、通常の外来と同様です。デイケアの利用を希望する旨を伝え、その後医師による面接を受け、デイケアの適性を判断されます。
治療や支援だけでなく、患者が自分の能力を取り戻し、自立的な生活を送るための自信をつけることができる場でもあります。患者が日常生活の中で問題を克服し、社会生活に復帰するための重要な役割を果たしています。
利用期間について特に定めはありません。本人の意思、症状などにより変化します。例えば、自宅療養になる、就学や復学ができる、再入院となったなどの理由が考えられます。
ただし、目標設定のために半年から年単位での期間を定める施設もありますので、しっかり説明を受けられることが大切です。
日常生活や社会復帰に向けた多様なプログラムは、患者さんの自信を取り戻す一歩になります。ご興味のある方はぜひ医師や病院スタッフにご相談下さい。
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精神科におけるデイケアの目的
精神科コラム
《2023年4月1日16:38 公開》
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精神科におけるデイケアの目的についての記事です。
精神科のデイケアとは、入院患者さんが退院後、日中の時間を過ごす施設であり、社会生活に復帰するためのリハビリテーションや治療が行われる場所です。患者さんの状態やニーズに応じて、日帰り型、通所型、居住型などいくつかの種類があります。
参加するには、まず医師に相談する必要があります。医師は、患者さんの状態に応じて適切なデイケアを紹介することができます。
精神科におけるデイケアの目的は、患者さんのリハビリテーション治療や社会復帰を支援することです。精神疾患の再発防止に効果が期待され、社会参加、社会復帰、復学、再就労など多様な目的があり、創作活動、料理実習、パソコン学習、スポーツ、認知療法プログラム、社交性向上プログラムなど多く実施しています。
精神疾患は、病気自体が社会生活への影響を及ぼすだけでなく、治療による副作用や治療中止による再発のリスクなど、複数の要因が日常生活を取り戻すことを困難にしています。
そのためデイケアは治療と社会復帰の両方を支援することで、患者さんが自分自身を取り戻し、社会復帰に向けた力をつけることを目的としています。
メリットとして、職場復帰や友人関係の広がりなど、患者の社会復帰につながる効果があります。研究によると、デイケアに参加する患者の入院期間が短くなり、社会生活に復帰する確率が高くなることが示されています。
具体的には以下の内容です。
・健康を維持し、体力をつける
・生活リズムを整える
・同じ障害をもつ仲間との交流
・作業能力、集中力、段取りなどの能力の習得
・対人関係のスキルやコミュニケーション・スキルの習得と練習
デイケアに参加することで、日常生活で必要とされるスキルを身に付け、また、他者と交流することで、社会性やコミュニケーション能力を向上させることができます。
これにより、患者は自信を持って社会に復帰することができるようになります。
退院後には、日常生活の中で自ら問題を解決する必要が出てきます。
例えば、就労や住居などの問題が発生した場合、それらを解決するためには、適切な情報収集や手続きが必要になります。デイケアでは、患者が必要とする情報や支援を提供し、
その問題を解決するためのスキルを身に付けることができます。また、障害があっても仕事を続けるための方法や福祉サービスを上手に活用できるスキルなどです。
さらに、デイケアは患者と家族のコミュニケーションを促進する場でもあります。患者が家族との関係を修復することができれば、社会生活においても支援を受けることができます。
そのため、患者と家族の関係修復を目指したカウンセリングや家族参加型のプログラムも行われています。
一方で、デメリットとして費用の問題が挙げられます。また、通院が困難な場合や、施設へのアクセスが不便な場合は、参加が難しいケースもあります。
今後の展望として、社会生活におけるメンタルヘルスの重要性が認識されていることや、入院期間の短縮やリカバリーの促進が求められることもあり、精神科のデイケアは、今後ますます需要が高まると考えられています。
より効果的なプログラムや治療法が開発され、患者のニーズにより適したサービスが提供され、ICTの進化により、オンラインでの精神科デイケアの提供や、個別に合わせたプログラムの提供が可能になることも期待されます。
精神科におけるデイケアの目的は、患者の治療と社会復帰を支援することです。
ますます必要性が高まると考えられますが、メリットもデメリットも含めてご検討ください。
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