心療内科・精神科とよだクリニック

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うつ病 種類 診断

 うつ病の種類と診断というテーマでお話しします。兵庫県加古川市にある精神科・心療内科クリニックの院長のブログです。うつ(鬱)病はうつ状態だけが出現する単極性うつ病(大うつ病性障害)とうつ状態と躁状態を繰り返す双極性障害に分類されます。双極性障害は躁病相の違いにより、典型的な躁状態を呈する双極Ⅰ型障害と軽躁状態を呈する双極Ⅱ型障害に分類されます。双極性障害の患者様も最初はうつ病相から発症するため、長期間うつ病として治療を受けておられるケースが少なくありません。特に躁病相が軽い双極Ⅱ型障害の方の場合、軽躁状態の時に、やっと回復した、元気になった、これが本来の自分であると感じる方も多く、周囲の人も気付かず、診察室でもうつ病相のことしか話さないことが多いので注意が必要です。

 単極性のうつ病(大うつ病性障害)と双極Ⅱ型障害の鑑別はとても重要です。それは治療、有効な薬剤が違うからです。鑑別のためには何よりも丁寧な問診、病歴の聴取が必要です。CTやMRI、SPECTなどの放射線科的検査や脳波などの生理検査、血液検査で鑑別出来るバイオマーカーが存在しないからです。最近NIRS(近赤外線スペクトロスコピー、光トポグラフィー検査)がうつ状態鑑別診断の補助に用いられるようになりました。NIRS専門外来を行っている医療機関もありますし、主治医と相談の上紹介受診することも可能です。しかしあくまで補助で有り、診断には丁寧な問診が大切なことは先述したとおりです。