心療内科・精神科とよだクリニック

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2022年5月の一覧

  • うつ 回復 段階 精神科コラム
    • うつの回復とその段階についての記事です。

       

      一番大事なことは、目先の症状に一喜一憂しすぎないことです。

      うつの症状は春先の三寒四温の気候のように、一進一退しながら回復に向かいます。

      少し良くなったと思ったら、また少し悪くなったなどはよくあることです。

      そのため病気と気長につきあう姿勢がとても大切なのです。

       

      また、うつの症状には回復する順番があります。最初に不安やイライラ、憂うつ感が改善します。憂うつは取れたけどやる気がでない、これまで好きだったことが楽しめないという状態はよく見られます。

      治療を継続することで、興味が戻り、億劫感が取れます。それでも例えば「ゴルフの練習場に行ったけど10球も打たないうちにしんどくなった。」など根気が続かないとことも珍しくありません。そんな時は無理する必要はありません。治療を続ければ徐々に回復してきます。好きだったがことが楽しめる、喜びや充実感を感じるレベルに回復したら、次に仕事について向き合えば良いと思います。

       

      うつ病は治る病気ですが、再発しやすい病気です。良くなりかけた時期は、悪化しやすい時期でもあります。少し良くなったからといって、自分の判断で勝手に薬をやめるようなことはないようにしましょう。

       

      信頼できる主治医とともに長期的に治療に取り組むことを推奨いたします。

  • うつ 運動 効果 精神科コラム
    • うつに対する運動の効果についての記事です。

       

       

      適度な運動をすると心身に良い効果がもたらされます。

      例えば1日の中で交感神経が優位な時間が増えることで、意欲的なでポジティブな思考が増えると考えられています。

      また、運動によりストレスを解消し、うつ状態を改善させるセロトンが増加することが知られています。

       

      これらのことからイギリスの成人のうつ病に関するガイドラインでは軽度~中等症のうつ病患者に対して運動療法が挙げられています。同じように日本うつ病学会のガイドラインでも運動療法が紹介されています。

       

      運動療法に関する研究ではいずれも運動がうつ症状を改善することについては一致していますが、十分なエビデンスが蓄積されていないこともあり、まだ一般的ではありません。

      しかし睡眠の改善や生活習慣病の改善などの効果も得られると考えられています。

       

      身体疾患同様、症状が重い時に運動をすることは症状を改善するどころか悪化する可能性があり、治療としての運動療法は専門家の指導のもと行うべきですが、軽いうつ状態、少しメンタル不調を感じる程度であれば軽い運動をしてみるのも一つの方法かもしれません。

      うつ状態の予防、再発予防としても運動は好ましいと考えます。

       

      本格的にジムに通うとかジョギングを始めるのではなく、10-15分程度の散歩やラジオ体操、ストレッチなどでも良いかもしれません。気軽に始めてみてはいかがでしょうか。

       

       

  • うつ 過眠 なぜ 精神科コラム
    • 今回、うつ病でみられる過眠症について記事を書いていきます。

       

      うつ病では入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒など通常は不眠がみられますが、過眠を伴う方もいらっしゃいます。

       

      服薬により普段よりも眠気が増すことがあります。代表的なものは鎮静系抗うつ剤(ミルタザピンやミアンセリン、トラゾドン、アミトリプチリンなど)や抗不安薬です。

       

      過眠症は、睡眠障害の一つで、本来覚醒していなければならない時間帯に強い眠気が現れ、居眠りする状態です。夜十分睡眠時間を取っているにもかかわらず日中の眠気をきたすのです。

      居眠りし、寝すぎとなるため、周囲から怠けていると誤解を受けることも少なくありません。

       

      原因としては、脳内の覚醒維持機構に何らかの異常がある場合(ナルコレプシーなど)や睡眠時無呼吸症候群(夜間に何回も覚醒し、寝不足となる)がありますが、非定型うつ病でもみられます。

       

      通常のうつ病では食欲低下、不眠を呈するのに対して、非定型うつ病では過食、過眠を呈します。

       

      過眠は通常のビジネスシーンでも大きな失態となりますが、危険業務、例えば車の運転や高所作業では命に係わる可能性があり非常に危険です。

       

      気になる場合は、早めに受診しましょう。

       

       

  • うつ お酒 悪化 精神科コラム
    • うつはお酒で悪化するのでしょうか?

       

      アルコールを飲むと、気が大きくなる、楽になると言う方がいらっしゃいます。

       

      同じく、眠れないからお酒を飲むという方がいます。昔から寝酒(ナイトキャップ)という習慣も知られています。

       

      実際にアルコールは抑制性神経であるGABA受容体に作用するため、抗不安効果がありますし、眠くなる効果(催眠効果)があります。

       

      しかしその効果は一時的なものであり、アルコールの連用により耐性が出来、同じ効果を得るために大量のアルコールが必要となり、アルコール依存症の原因となります。

       

      睡眠に関しても寝付きは良くなるものの、入眠後のアルコールの離脱により中途覚醒をきたし、むしろ睡眠を悪化させます。

       

      気分が高揚し興奮するなど脱抑制状態を呈する可能性もあり、その場合さらに立場や人間関係を悪化させ、うつ状態を悪化させる可能性すらあります。

       

      また、アルコールは肝臓に作用し、酵素誘導を通じて抗うつ薬や睡眠導入剤の効き目が悪くなる可能性もあります。

       

      つまり、アルコールがうつ病を改善させることはなく、様々なレベルで悪化につながります。

       

      少なくとも治療期間中はお酒を控えられることをお勧めいたします。

  • うつ 再発 兆候 精神科コラム
    • うつが再発する兆候についての記事です。

       

      うつ病再発の大きな要因として、ストレスの蓄積があります。

       

      例えば、4月に行われる職場の異動(転勤)や学校でのクラス替えなど、

      環境が変化し、人間関係も変化するため、ストレスがかかります。

       

      環境の変化は、変わること自体で精神的、身体的負担がかかります。

      職場の昇進や結婚も、案外ストレスがかかります。

      そのため、嬉しい環境の変化であっても、うつ病発症につながることもあるのです。

       

      これらのストレスは、うつ病の発症だけでなく、再発の原因にもなるので注意が必要です。

       

      ちなみに、うつ病再発の確率は50%程度と言われていますので、現在症状が

      落ち着いているからといって、安心してはいられません。

       

      症状の安定や再発には、ご家族など周りのサポートの有無も大きく影響します。

       

      感情が不安定で、食欲減退、不眠、やる気が出ないなどの状態が続いている場合は、

      お近くの精神科・心療内科に受診してみましょう。

       

       

  • 原因不明 体調不良 うつ 精神科コラム
    • 現代社会は様々なところに、ストレスの要因(ストレッサー)があるようです。

       

      とくにコロナ禍の今、以前にもましてストレッサーが増えていると言われています。

       

      適度なストレスは「人生のスパイス」と呼ぶことができ、体の抵抗力を高め、心の成長を促しますが、過度なストレス、つまり「悪いストレス」に長期間さらされると心身ともにバランスが崩れてしまいます。

       

      ストレス過多の社会で自律神経失調症やうつ病と診断されることが珍しくなく、ストレスケアが注目されています。

       

      過度なストレス、悪いストレスがかかり続けると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経優位となります。

       

      その結果、血圧上昇、動悸、発汗や消化器症状が出現します。就寝時に寝られないのも、交感神経が優位となっているからです。

       

      自律神経の乱れは、過剰なストレス、悪いストレスが根本原因です。

       

      気分の落ち込みが長期にわたる状態をうつ状態といい、その代表がうつ病です。

      何もやる気がなくなり、気分が落ち込んだ状態です。

      自分では無意識である場合もあるため、受診せずに我慢している人も相当数

      いると考えています。

       

      性格的には、真面目で責任感が強く、几帳面、完璧主義な方が多いと言われています。

      これらの徴候が思い当たる方は、早めの受診をおすすめいたします。