本日のテーマは「発達障害 心療内科」です(JR加古川駅前で精神科・心療内科クリニックを開設しております)。以前の記事にもお書きしましたが、私が精神科に入局した平成3年当時、精神科医の主な仕事は単科精神科病院の入院患者様を担当することでした。大学病院では発達障害は小児科の担当か精神科の児童思春期グループの仕事というイメージ(認識)でした。約5年間勤務した精神科病院では発達障害の患者様を担当することはありませんでした。しかし振り返ってみると発達障害に対する無知や無関心が原因で、適応障害の背景にある発達障害や他の精神障害に併存する発達障害に気づきにくいケースや聴覚過敏などの症状を統合失調症と誤診していた場面があったのではないかと自戒しております。
加古川市で精神科・心療内科クリニックを開業して以降、日常の診療や精神科顧問医・嘱託産業医として出務した会社・企業での相談業務の中で、不登校、出勤困難、学校や職場での問題行動の背景に自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害など発達障害が存在することを多数経験しております。このため初診の段階で発達障害の疑いがある患者様にAQ-JやA-ADHDなどのスクリーニング検査を実施し、必要と判断した場合に公認心理士による検査(WAIS-Ⅳ、Rorschachテスト、ブルドン末梢テストなど)を実施しております。加古川市内では精神科病院や市民病院、一部クリニックで同様の心理検査が実施されていますので、不注意や多動などの特性、コミュニケーションや拘りが強く融通が利かない、空気が読めないなどの特性ために社会生活上困っている方は近くの医療機関にご相談・お問合せされてはいかがでしょうか。
※公開/更新日: 2021年5月26日 23:34