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精神科レクリエーションについて
精神科コラム
《2022年8月18日18:18 公開》
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精神科では治療を目的として各種レクリエーションを用意している施設があります。
精神科で治療として行うレクリエーションがどのようなものか解説していきます。
- レクリエーションとは
定義としては、「娯楽として自由時間に行われる、自発的・創造的な様々な余暇の活動のことである。肉体的・精神的な疲労(仕事・勉強など)を癒し、元気を回復するための休養・娯楽・気晴らし・気分転換である(Wikipediaより)、とあります。
レクリエーションの種類は、スポーツや音楽、社会的行事、自然探求など様々です。
では、精神科でレクリエーションを取り入れる目的とはなんでしょうか。
それ実は患者様の回復具合により異なります。共通しているのは、様々な活動を通して、自信回復や健康的な生活を送るためのサポートをすることです。
気持ちが不安定なときは、活動を楽しむこと、ストレスを発散すること、不安を和らげること、気分転換をすることなどを目的に何らかの活動を行います。
回復期には、生活のリズムを取り戻すこと、自信をつけること、何かに集中する時間をもつこと、仲間作り、好きなことや出来ることを見つけることなどを目的に何らかの活動を行います。
安定期には、人との付き合いに慣れること、体力の維持、日常生活を円滑におくる為の活動を取り入れていきます。
最終的には、社会復帰に向け必要なことを練習し、身に着け、自分らしさを回復して社会に出ることを目的としています。
レクリエーションは介護施設でも認知症の作業療法に取り入れられています(認知症は精神科で診療する病気の一つです)。
行事や活動を通して人とふれあうことで、今できる能力の維持を目的とされているようです。例えば、季節行事としてお花見などを実施したり、他にも体操、カラオケ、ビデオ鑑賞、創作活動…など多種多様です。
- その効果
レクリエーションに参加された方に期待する効果としては、緊張感が解け、不満や不安が発散、他者に対して親近感やグループ感情が湧いてくる、自信を回復するなどです。自分のペースを取り戻しながら社会性を育んでいくことが患者様の社会復帰にとって大切なことだと考えています。
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精神科でもプロセスレコードを取り入れています
精神科コラム
《2022年8月16日18:10 公開》
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プロセスレコードとは一般的にはなじみのないワードではないでしょうか。
精神科では患者様の治療のために役立てています。
- プロセスレコードとは
プロセスレコードは、1950年代に米国の看護学者ヒルデガード・ペプロウが提唱した「看護師と患者の相互関係における文書記録」です。
日々の看護業務の中で、看護師自身が患者様とどのように関わり、どういう話をしたのか 患者様のリアクションはどうだったかなど、患者様とのコミュニケーションを振り返り、分析することを目的に、看護教育の一環として用いられてきましたが、介護分野にも活用されています。
自分の看護感や介護感、患者様の状態を振り返ることができるツールです。
記載内容として、まずは基本情報を記載します。1.基本的な患者様の情報(例えば、年齢・性別・年齢・疾患など)、併せて患者様の状態(精神疾患の現在の症状、入院の有無など)振り返ろうと思った理由を記載します。
2.次に「患者さんの言動」「看護師が感じ考えたこと」「看護師の言動・行動」など記載していきます。
記載したことは材料にすぎません、その後に行う「考察」が大切です。患者様はなぜそのような言動を取ったのか?本心か?病気によるものか?落ち込んでいたか?看護師の発言は適切であったか?など振り返り感じたこと、見えてきたを記載します。
このプロセスを経ることで、次回はどのようなことに注意しなければならないかなど、看護のブラッシュアップをしていきます。
プロセスコードを元に定期的にチームディスカッションをしている病院や施設もあります。
- プロセスレコードのメリットとデメリット
一番のメリットはアセスメント力がつき、患者様の治療やケアの質向上につながり、患者様の満足につながることだと思います。
逆に記録に時間がかかり、残業が増えて本来の業務ができないなど、看護師、介護士の労働環境を悪くする可能性があります。
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精神科ではオンライン診療始まりましたが…
精神科コラム
《2022年8月14日18:01 公開》
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精神科ではオンライン診療始まりましたが…
- オンライン診断とは
そもそもオンライン診療とは、パソコンやスマートフォンなどを使って、病院へ通院しなくても、医師と患者をつなぎ画面上で対面しながら診察やお薬の処方を受けることができる便利な診療方法です。
4年ほど前から保険診療で利用可能となり、今まで仕事や家庭の事情で通院が難しかった方でも治療を受けることが可能となりました。
まだまだ新しい制度のため、適用される疾患や条件は制限があり、すべての方に適用できていませんが、昨今の長引くコロナ禍も後押ししてか今後、利用者も適用範囲も広がっていくことが期待されます。
オンライン診療が加わったことで、診療形態の選択肢が増え、より細やかな診療体制が構築されたと思います。
今後は、従来の外来診療(通院)、入院医療、在宅医療に加えて、常況により、オンライン診療も選択肢となることが期待されます。
コロナ禍のように人と接触する機会を減らすことはもちろん、過疎化した地域医療にも大きく貢献できるのではないかと期待が高まります。
それでは、オンライン診療をしている病院やクリニックをどのように探すのかというと、実は厚生労働省厚生局のホームページで確認できます。
オンライン診療実施の届出をしている医療機関の一覧が閲覧できるので、ご活用ください。ただし、疾患や条件が当てはまるのか、初診は直接対面が必要などケースバイケースのため事前に受診したい病院へ確認されたほうがいいと思われます。
精神科や心療内科など心をあつかう科目は、物理的接触が必要な検査は比較的少なくオンライン診療と相性がいいと言われています。実際多くの精神科や心療内科がオンライン化を進めています。
- 精神科オンライン診断のデメリット
上記記事と矛盾するかもしれませんが、実は通院することのメリットが大きいのが精神科です。「わざわざ、時間とお金を使って通院する」こと自体が治療となっている場合があります。
例えば、「無気力、何もしたくない」などの症状がある場合、「着替えて家から出て、電車にのって、病院へ行き、医師と話す」、この行動を起こさせることが大切なのです。また少し悪化して調子が悪い時も、医師が直接状態を把握し、即日のお薬の調整で楽になるメリットも大きいです。
症状や患者様ごとの事情にもよりますが、オンライン診療だけでは困難な場合も多いのが現状です。
メリットだけでなくデメリットも知った上で、上手に通院や在宅医療、オンライン診断を使いわけることを推奨いたします。
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