心療内科・精神科とよだクリニック

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2023年1月の一覧

  • うつ病の症状と耳鳴りの関係 精神科コラム
    • うつ病の症状と耳鳴りの関係についての記事です。

       

      ストレスが原因で耳鳴りやめまいが発症する場合もありますが、耳鳴りの症状がさらにストレスとなり、不眠や不安を抱えてしまうこともあります。

       

      うつ状態から耳鳴りを起こす場合、いろいろな防御反応が出てきます。

       

      その一つが感覚の感度が高まることです。音に過敏になり、耳鳴りを感じる人がいるようです。検査をしても特に耳にも脳にも異常はなく、対処療法だけではなかなか良くなりません。

       

       

      また、重度の耳鳴りを抱える人はうつ病を発症するリスクがあります。話すことや他人と交流すること、出かけることなどが億劫になるためです。

       

      常に音が聞こえている環境では他人の声も聴きづらく会話が上手くかみ合わないこともあります。

       

      寝付けない・途中で起きてしまうなど、不眠状態が続く場合もあります。これが大きなストレスになり、気分の落ち込みや不安を感じやすくなります。長期間その状態が続くとうつ病を発症してしまいます。

       

      心の不調により耳鳴りを引き起こすこともあり、重度の耳鳴りが心の不調を引き起こすこともあるため、相互に関係しています。

       

      そのため耳鳴りの治療薬と併用して向精神薬を使用すると、不安が軽減し、耳鳴りも気にならなくなることも。

       

      耳鳴り、うつ病共にストレスと関連することから適切なリラックス法や良い睡眠をとることが重要です。寝る前にリラックスタイムをもうけ、心地よいBGMのもと、必要に応じて睡眠導入剤等を使いながら、しっかりと質の良い睡眠をとっていただき、悪循環を断っていただければと考えます。

       

  • うつ病における過呼吸の症状と「泣く」ことについて 精神科コラム
    • うつ病における過呼吸の症状と「泣く」ことについてのコラムです。

       

      泣くことは、理性ではコントロールしきれなかった大きな感情の揺れを身体が受け止め、涙として体外に排出することです。心が軽くなった経験をお持ちの人も多いのではないかと思います。感動した時、悲しい時、怒った時など感情が動く場面で涙が出ます。

       

      うつ病患者の中には、涙もろくなったという症状を訴えられる人もいます。

            

      うつ病になると、脳内神経伝達物質であるセロトニンの分泌が低下すると言われています。脳内のホルモンバランスが崩れることで、今まで気にならなかったことも敏感に感じるようになり、心のバランスが崩れてしまいます。

       

      感情のコントロールが出来ず、ちょっとしたことで涙が出てしまうのです。その他にも意欲の低下、不安、気分の落ち込み、イライラなどの精神的症状もあります。

       

      涙を流すことで、うつ病の人も一時的に心がすっきりするため、安全な場所で感情を放出することは有益と考えます。

       

      一方、過呼吸とは、不安感の強い人や神経質な人に起こりやすいと言われています。極度の緊張や不安な状態により速い呼吸を繰り返します。

       

      過呼吸を起こすと、呼気から二酸化炭素の放出が促進され、血液中の二酸化炭素濃度が低下します。これにより血液がアルカリ性に傾くことで、手足のしびれ、けいれん、硬直(テタニー)がおきます。

       

       

      過呼吸はうつ病、パニック障害などの不安障害随伴症状として生じることがあります。

       

      不眠や耳鳴り、頭痛や倦怠感、下痢や便秘など、うつ病の他の症状があると日常生活に不安を感じ緊張が増すことから、過呼吸を呈する危険性が増しますが、元の疾患をきちんと治療することで、過呼吸の再発予防の効果が期待できます。

       

      ご自身の病状に合わせて主治医と相談しながら治療していきましょう。

       

       

       

       

       

       

  • うつ病と認知症の関係性について 精神科コラム
    • うつ病と認知症の関係性についてのコラムです。

       

      認知症とうつ病は別の疾患ですが、重なる症状がいくつもあります。

      どちらも、これまで出来ていたことが次第に難しくなり、日常生活に支障をきたすという共通点があります。

       

      認知症とは、後天的な脳の障害によって機能が低下する病です。新しいことが覚えられない、今まで出来ていたことが出来なくなり日常生活に支障をきたし、何らかの介護を必要とする状態です。

       

      アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など脳の変性萎縮や、脳梗塞や脳出血など脳の血管の障害などで起こります。

       

      遺伝的要素と生活習慣が複合的に発症リスクを高めると考えられています。

      症状は多岐にわたり、単に物忘れがあるだけでは認知症とはいえません。

       

      夕食の内容を忘れるのではなく、夕食を食べたこと自体を忘れてしまうなど、記憶が丸ごと抜けているのが違いと言えます。

       

      また、妄想や暴言、暴力など攻撃的になったり、時間や場所がわからなくなり昼夜問わず徘徊するなどの症状も見られます。初期は不安な気持ちもあるのですが病状が進んでくると不安さえも忘れ、感じなくなるのが特徴です。

       

      次にうつ病と認知症の関係ですが、似たような症状も多く、認知症の初期症状として精神症状が先行するケースや、うつ病の症状として認知症とよく似た症状を呈すること(うつ病による仮性認知症)もありますし、二つを併発して発症することもあります。気分の落ち込みや不安感、性格の変貌、日常生活に支障が出るほどの物忘れや判断力の低下など、どちらの病気なのか診断はとても難しいです。

       

      専門医が診察し、必要な検査を実施しなければ判断はできないと考えます。

       

      併発していた場合、両者に効く薬はありません。適切な投薬治療に加えて、地域包括支援センターなどと連携したサポート体制の構築や本人・家族への疾病教育が必要となります。

      適切な治療やサポートを受けるためにも早期の専門医による診察をお勧めします。

       

      物忘れが増えた、今まで出来ていたことが出来なくなったなど、異変を感じられる時には先送りせず早めに専門医※を受診して下さい。

       

      ※この場合の専門医としては精神科医、脳神経内科医などであるが認知症学会専門医、老年精神医学会専門医、神経学会専門医などを有することがより望ましい。