心療内科・精神科とよだクリニック

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2020年12月の一覧

  • カウンセリング 心療内科 うつ病 精神科コラム
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      心療内科におけるカウンセリングという概念とうつ病について書いていきます。当クリニックへの問い合わせで比較的多いのが「カウンセリングをしていますか?」というものです。また通院中の患者様から「先生のカウンセリングで良くなりました。」などとお言葉をいただくこともあります。しかし残念ながら当クリニックではカウンセリングは行っていません。精神科、心療内科、メンタルヘルスクリニック等の医師(ドクター)は患者様のお話をお聞きし、診断、投薬をし、必要な指導や助言を行いますが、これはカウンセリングではありません。診察場面は症状や治療方針について相談をする場であり、じっくりと時間をかけて心(こころ)の中を整理し、問題を解決するカウンセリングを行う場所ではないのです。

      カウンセリングは臨床心理士や公認心理士など心理職が担当いたします。精神科、心療内科の病院、診療所で担当医師の指示のもと、連携しながら行うケースもありますが、臨床心理士、公認心理士が自らカウンセリングルームを開設し患者様(この場合はクライアントという)と契約を結びカウンセリングを行うものもあります。その他企業に雇用あるいは契約関係にある産業カウンセラーが社員に対して行うカウンセリングもあります。

      うつ(鬱)病に対するカウンセリングとしては認知行動療法が有名です。完璧主義、生真面目や物事の捉え方、考え方の癖が原因となりうつ病を繰り返すような場合はカウンセリングの良い適応となると思われます。自らの考え方の癖に気づき、物の捉え方、認知を改善し、結果として行動が改善することによりうつ病になりにくい状態を作ることになります。このようなことから一部の精神科病院などで行われている復職のためのデイケア=リワークプログラムでも認知行動療法やアサーション、マインドフルネスなどの心理療法がおこなわれています。

      ※参考

      1)心理職:臨床心理士(日本臨床心理士資格認定協会)、産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会)、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、公認心理師(国家資格H29~)

      2)カウンセリングの費用:自費診療となり1回45~60分ほどのカウンセリングで、6000~8000円程度。施設により1万円以上のこともあり。なお企業の産業カウンセラーによるカウンセリングやリワークプログラムで行われるものは費用が発生しない。

  • 心療内科・精神科とオンライン診療について 精神科コラム
    • 【オンライン診療とは】

      オンライン診療は以前遠隔診療と呼ばれていました。スマートフォン(スマホ)やタブレット、パソコン・PCなどのデバイスとZoomやGoogleMeetに代表されるようなテレビ電話会議システムを使って、医療機関に行かなくても、通信機器を用いて医師の診察が受けられるシステムです。ただし、疾患や状態によって診療不可の場合もあり注意が必要です。

      平成30年3月に厚生労働省からガイドラインが出されましたが、この時期に合わせて複数の支援業者がオンライン診療ビジネスに参画し、盛んに我々医療機関に情報提供、サービスの提案をされました。代表的なオンライン診療サービスとしてCLINICSやCURONがあります。最近では広くSNSとして普及しているLINEを使ったサービスも提供されています。ちなみにLINEは若者層のみならず比較的年齢の高い方も利用者されています。

      【オンライン診療のメリットとデメリット】

      オンライン診療のメリットとデメリットについて説明します。オンライン診療のメリットとしては、第一に自宅や職場などで診療を受けられるため、交通費が不要、待ち時間がない等必要な時間の短縮、他の患者さんと会わなくても良いなどのメリットがあります。現在のコロナ禍では医療関係者、患者様ともに感染リスクを無くすことができることも大きなメリットであると考えられます。院内感染や二次感染のリスクがありません。

      我々心療内科・精神科領域では広場恐怖対人恐怖のため外出が困難な患者様や田園地域にお住まいで近隣に専門医療機関がない患者様にも受診機会が得られることもメリットかもしれません。

      一方、オンライン診療のデメリットとしては対面診療同等の情報が患者様から医師に伝わらないことが挙げられます。例えば身体科で行われる聴診や触診などは不可能ですし、検査も実施できません。テレビ電話会議の画面を通してのみしか伝えることができません。つまり、五感での情報をキャッチできないということがあげられますが、

      心療内科・精神科の診療では入室から退室までの間、歩調、表情、身だしなみなど様々な患者様の情報をキャッチしております。必要に応じて待合室での様子もチェックしていますが、オンライン診療ではこれらの情報が得られません。何より対面でお話することによる安心感はビデオ通話では得られにくいと考えます。

      さらに前述しましたオンライン診療サービスを利用した場合、保険診療の点数に応じた費用負担の他に、予約料あるいはサービス利用料として患者様負担が発生することも大きなデメリットではないかと考えます。

      【保険診療におけるオンライン診療のルール】

      保険診療でオンライン診療を受けるのには次のようなルールがあります。初診は必ず対面診療を受けなければなりません。その後継続して3ヵ月以上対面診療を受けた後に、オンライン診療の受診が可能になりますが、緊急時におおよそ30分以内に対面診察ができる診療体制が求められていますので、患者様の居住地も医療機関に通える範囲に限定されます。当院においても概ね加古川市及び近隣が対象となるのです。以上のことから心療内科・精神科での利用は限定的になると考えております。つまりは、オンラインとオフラインの両方併せ持つ利用方法となります。

      【新型コロナウイルス感染症に関連した時限的・特例的な措置】

      新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を防ぐための時限的・特例的な対応として、医師が電話などを用いた診療が可能と判断した場合、受診歴がない患者に対しても、電話等を用いて診療できることが承認されています。このシステムを利用して大阪の患者様が東京の医療機関から投薬を受けた事例などが報告されています。この措置により初診から投薬が出来ることになっていますが、向精神薬の処方は認められておらず、心療内科・精神科への通院は現実的ではないと考えます。

  • 心療内科 初診 診断書 精神科コラム
    • 心療内科においての初診診断書や付随する内容についてのブログ記事です。加古川市内で心療内科の院長を務めています。心療内科で発行する診断書にはいくつかの種類があります。代表的なものは学校や職場に提出する休学や休業、あるいは環境調整・変更などの配慮を求める診断書、自立支援医療、精神障害者保健福祉手帳の申請用の診断書、障害年金申請用の診断書、運転免許取得(更新)のための診断書です。医師は患者様の求めがあれば特別な理由がない限り診断書を発行しますが、虚偽内容の診断書作成・改変は法令で禁止されています。

      心療内科・精神科の初診時に患者様から最も多く求められるのが休学・休業に関する診断書です。診断書を提出することにより、休みがちであることやパフォーマンスが上がらない状況が心(こころ)の病気によるものであると学校や会社に理解してもらえ、心身ともに休息を取り、治療に専念できるメリットがあります。一方で出口戦略のない休業の場合、休業期間満了による退職に至ることもあり、十分な話し合いを行っています。病状によりドクターストップとして休業を指示することもあり、病状や状況に応じた対応をいたします。

      休学・休業の診断書などクリニック書式で作成可能な診断書は原則当日発行いたしますが、会社様式の診断書など持ち込みの診断書は原則後日のお渡しとなります。前述しました自立支援医療、手帳、年金の診断書に関しては記載項目が多く、特に日数を要します。

      その他手帳の診断書は治療開始より半年以上経過しないと申請できない、てんかんの発作抑制期間の確認ができないなど初診時作成できない診断書もあるため、詳しくは受診時に担当医師にご相談ください。