パニック障害 Panic disorder
パニック発作(後述)が繰り返し起こる病気で、心臓や他の病気が原因でおきるものではありません。発作がまた起きるのではないかという心配(予期不安)や発作にまつわる他の心配が1ヶ月以上続くことが特徴的です。
パニック発作
発作的に出現する強い恐怖感や不安感を特徴とする。随伴症状として下の症状が4つ以上存在する。これらは突然出現し、10分以内に頂点に達する。
- 心臓がドキドキしたり、脈が速くなる
- 汗が出る
- 体がふるえる
- 息が苦しい
- 息がつまる感じ
- 胸が痛む、または胸に不快感がある
- 吐き気がする、あるいはお腹に不快感がある
- めまい、ふらつく感じ、気が遠くなる感じがする
- 現実感がなくなる
- 気が狂うのではないかと心配になる
- 死ぬのではないかと怖くなる
- 感覚が麻痺する、あるいはうずく
- 冷たい感覚、熱い感覚
広場恐怖
- 家の外に一人でいること、混雑の中にいること、列の中に並んでいること、橋の上にいること、バス、汽車、自動車で移動していることに不安がある。
- 上記の状況を避けたり(旅行をしないなど)、パニック発作が起きることに非常に強い苦痛、不安を伴って耐えていたり、誰かと一緒でないとその状況に耐えられない。
※DSMⅣまでは広場恐怖の有無でパニック障害を分類していましたが、DSM5からは独立しています。
パニック障害と鑑別が必要な病気
パニック障害の治療
パニック障害の薬物療法には抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。最近ではSSRI(パキシル、ジェイゾロフト等)が使用され、良好な治療成績を残しています。
パニック障害は単なる心の持ちようで生じるような病気ではありません。治療方法はかなり確立されており、適切な治療により症状は改善します。当院では薬物療法と行動療法を組み合わせた治療を行っています。
パニック障害のリンク
※公開/更新日: 2017年9月5日 12:56