心療内科・精神科とよだクリニック

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うつの症状と頭痛について

今回のテーマは「うつ病の症状と頭痛」です(加古川市・加古川駅前で精神科・心療内科クリニックの院長をしています)。

前回のブログでもお書きしましたが鬱(うつ)病では身体症状が多くみられます。なかでも頭痛、肩痛、腹痛など痛みに関する訴えは頻度が高く、約6割の患者さんで何らかの痛みがみられます。当院外来でも頭痛など痛みを訴える患者様が多いと実感しています。患者様は頭痛が続くため脳神経外科、整形外科などを受診されるのですが「異常なし」と診断され、鎮痛剤を処方されても効果がないために精神科・心療内科に来院されます。

うつ病で痛みが生じるメカニズムはよくわかっていませんが、モノアミン(セロトニンやノルアドレナリンなど)の減少との関係が推測されています。身体には「下行性疼痛抑制系」という神経があり、うつ病ではモノアミン、特にノルアドレナリンの機能低下により痛みを抑える力が低下しているため痛みを感じやすくなると考えられています。

うつ病による痛みの治療はうつ病の改善につきますが、抗うつ薬の中でもノルアドレナリンの働きを促進する薬が使われます。古くはイミプラミン(トフラニール)、アミトリプチン(トリプタノール)など三環系抗うつ薬が使われていましたが、最近では口喝、便秘や体重増加などの副作用が少ないSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)であるミルナシプラン(トレドミン)やデュロキセチン(サインバルタ)が用いられることが多いです。ノルアドレナリンに対する効果のある薬剤は痛みを改善するのみならず億劫、楽しめないなどの残遺症状を軽減し、日常生活の質を改善できる可能性があります。

脳神経外科や整形外科など身体科を受診しても検査所見に異常がみられない痛みと気分が憂うつな状態が続いているときにはお近くの精神科・心療内科にご相談されてはいかがでしょうか。