心療内科・精神科とよだクリニック

JR加古川駅の南口から徒歩1分、開業22年の実績

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2021年3月の一覧

  • 精神科長期入院の理由について 精神科コラム
    • 今回は「精神科病院での入院が長期にわたる理由」についてお話いたします。加古川市、JR加古川駅前にある精神科・心療内科クリニックの院長のブログです。

       以前のブログにもお書きしましたが、私が精神科に入局した平成3年ごろ精神科病院の患者様の大半は長期間入院されていました。親が元気な間は盆や正月に外泊されたりしていましたが、兄弟姉妹の代になると面会すらほとんどない状況の方もいて、医師として無力感を感じていました。この頃の入院は社会的入院と呼ばれており、幻覚や妄想などの症状は改善しているけれど帰るところがないため病院を住まいとして入院しているという側面がありました。もちろん幻覚・妄想などの陽性症状は改善しても、意欲・発動性、実行能力低下などの陰性症状が強く自立した生活を送るのが難しい方が多かったことも理由の1つであったと考えます。

       その後新規抗精神病薬(第二世代抗精神病薬)が治療の主流となり、神経内科クリニック、心療内科クリニックという名称で受診しやすくなった精神科で比較的早期に治療を受ける方が増えたため、入院に至らず外来で治療継続が可能な患者様が増えてきています。政府も精神科病院の長期入院を回避する政策を打ち出し、急性期病棟が作られ早期退院が推進されています。前述のように退院後の居場所がない患者様、一定の援助を必要とする患者様のためのグループホームなども作られ私が精神科医になった時に比べればかなり長期入院の患者様は減っていると実感しています。現在も入院期間が1年以上に及ぶ患者様も一定数おられます。その理由は向精神薬が効かない、効果不十分など患者様の持つ疾病性が関係しているものと思われます。最初は十分な効果がみられたのに、治療を中断して症状の再燃を繰り返すうちに薬が効かなくなる方も多数経験しています。治療の中断については主治医と十分に話し合うことをお勧めします。

       これまで長期入院は当たり前として捉えられた精神科の入院治療ですが、現在は在院期間の短縮を目指して様々な工夫が行われています。

  • 精神科行くべきか(行きづらい)? 精神科コラム
    • 今回は「精神科に行くべきか?行きづらい」というテーマでお話いたします。加古川市で心療内科・精神科クリニックの院長をしています。

       皆様は気分が憂うつ、イライラする、眠れない、小さなことが気になるなど心が辛い症状※がある時に精神科を受診した方が良いかもしれないけど、何となく敷居が高い、何となく怖そうだ・・と躊躇された経験がおありではないでしょうか?

       精神科というと地元の精神科病院の閉鎖病棟などのイメージがあり、余計に抵抗感が出るのかもしれません。実際私が医師免許を取得した平成3年頃、大学病院の精神科医局に入局し、研修を終えてから派遣される医療機関はほぼ単科の精神科病院でした。精神科病院には長期入院の患者様が多く、外来を受診される患者様も入退院を繰り返している方がほとんどでした。不眠症や仕事の悩みなどで受診されるには敷居が高かったと思います。

       その後精神科を専門とされる先生方が~神経内科クリニックという形でメンタル不調の患者様にできるだけ門戸を開いた形で開業され、その後心療内科の標榜科が認められてから~心療内科クリニックという名称で開業する医療機関が急激に増えてかなり敷居が低くなってきたと実感しています。最近では~こころのクリニックや~こころのホスピタルなど優しい名前の医療機関が増えてさらに敷居が低くなっています。

       これら神経内科クリニック、心療内科クリニック、こころのクリニックなどはほぼ全て精神科を専門とする医師が開設しています。受付や待合室、診察室も明るくリラックスできるよう設計されていますので、安心して受診されれば良いと思います。

       また精神科の医療機関に出入りしているのを他人に見られるのに抵抗がある方が一定数いらっしゃることは以前から指摘されています。そのような場合は商業ビルなどの中で開業している医療機関を受診されると良いかもしれません。当院は加古川駅前のランドマークの1つであるサンライズ加古川ビル4階にあります。道に面した入り口はなく、エレベータ利用でアクセスできます。お近くで精神科受診される時も同じような立地のクリニックが受診しやすいのではないかと存じます。

      ※次のような症状があるようでしたら注意が必要です。早めの受診をお勧めします。

      夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、食欲不振、頭痛、思考力や集中力の低下など。

       うつ病の大半は睡眠障害を合併しており、長く続く場合は要注意です。またうつ病では頭痛など疼痛を伴うことも少なくありません。症状が日常生活に支障をきたすようでしたら、いっしょにストレスの原因を探り、回復に向けてサポートをいたします。どうぞ怖がらずに受診してください。

  • 精神科の作業療法の目的 精神科コラム
    • 今回のテーマは「精神科で実施されている作業療法の目的」です。JR加古川駅前のサンライズ加古川ビルで精神科・心療内科クリニックを開業している精神科医のブログです。

      皆さまは作業療法と聞いてピンとくるでしょうか?作業療法は理学療法と同じくリハビリテーションの1種で手や体を動かす作業活動を用いて指導・援助する治療です。リハビリテーションはWHO(世界保健機関、1981年)によると「能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行う・・(以後省略)」と定義されています。精神科における作業療法は精神疾患により低下した能力を改善するためのリハビリで作業療法士により実施されます。社会復帰を目的とした家事動作訓練や就業前訓練もありますが、患者様の症状や状態に合わせて、気分転換や自信をつける、ストレス発散など症状の安定を目的としたり、対人関係や社会性の改善を目的とするもの、生活リズムや体力・活動性の改善など日常生活への援助を目的としたものもあります。例えば、手工芸やカラオケなどの娯楽、脳トレのための体操のみならず、日常生活に即した技能も訓練します。

      多くは精神科病院で入院患者様や一部の外来の患者様のために実施されていますが、一部の診療所においてもデイケアの中で実施されています。悲観的感情や人との交わりなどにおいて苦手な方へ、健康的な生活のお手伝いをします。