心療内科・精神科とよだクリニック

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【要注意】職場のストレスがうつ病に…

本記事では、職場でのストレスがつらくなる前の段階でどのようなサインが現れやすいのか、そして日常生活の中で取り入れやすいセルフケアや、職場・専門機関への相談のポイントについて整理します。

 

1.職場のストレスサインが見過ごされやすい理由 

多くの職場では、「頑張ること」「我慢すること」が評価されやすく、忙しさや負担を感じていても「自分だけが弱いのではないか」「ここで休んだら迷惑をかけてしまう」と考え、無理を重ねてしまう方が少なくありません。 

特に、責任感が強い方や、周りから頼られやすい方ほど、自分の限界ラインを後回しにしてしまう傾向があります。 

 

次のようなサインに、思い当たるところはないでしょうか。 

– 朝起きたとき、仕事のことを考えると憂うつになる 

– 以前より寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める 

– ミスが増えた、集中力が続かないと感じる 

– 感情の波が大きく、涙もろくなったり、イライラしやすくなった 

– 「自分だけがうまくいっていない」と感じることが増えた 

 

こうした変化は、仕事への適性や性格だけでなく、「ストレスが蓄積して心身が疲れてきているサイン」として現れている場合があります。  放置すると日常生活に支障が出るほどの不調につながることもあるため、早めに気づき、対処していくことが大切です。 

 

 

 2.「自分が弱いから」ではありません 

相談の現場では、「自分はメンタルが弱い」「同僚も頑張っているのに情けない」と、ご自身を責めてしまう方が少なくありません。 

しかし、強いストレス下で気分が落ち込んだり、意欲が低下したりするのは、誰にでも起こり得る心身の反応です。 

たとえば、風邪をひくと熱が出るように、過度なストレスが続くと、睡眠・食欲・意欲・集中力などに変化が出ることがあります。 

「気持ちの持ちよう」の問題ではなく、脳や身体のはたらきがストレスの影響を受けている状態と捉えると、少し見え方が変わるかもしれません。 

 

真面目で責任感の強い方ほど、自分の疲れに気づきにくく、限界を超えるまで頑張り続けてしまうことがあります。 

「自分が悪い」「弱い」と責めるのではなく、「心のコンディションが落ちてきているサインかもしれない」と受け止め、適切に休息や相談の機会をとることが大切です。 

 

 

3.つらくなりすぎる前にできる3つのステップ 

心の不調を悪化させないためには、「早めに変化に気づき、ひとりで抱え込まないこと」がポイントになります。  ここでは、一般的なセルフケアのステップを3つに整理してお伝えします。 

 

① 自分の「心と身体のサイン」に気づく 

疲れているときほど、「まだ大丈夫」「ここを乗り切れば」と、自分のサインを無視しがちです。 

しかし、長時間の残業や睡眠不足が続いたままでは、仕事のパフォーマンスも落ち、ミスやトラブルにつながることがあります。 

こうした変化に「いつもと違うな」と気づけるだけでも、立ち止まるきっかけになります。 

少しでも違和感を覚えたら、早めに休息を増やしたり、信頼できる人に話してみることを検討してみてください。 

 

② 仕事とプライベートの境界線を意識的に作る 

在宅勤務やスマートフォンの普及により、「いつでも仕事につながってしまう」状態になりやすくなっています。 

意識的にオンとオフの切り替えをつくることで、心身を休める時間を確保しやすくなります。  たとえば次のような例です。

業時間になったらパソコンの電源を切る 

– 退勤後は仕事のメールやチャットを確認しない時間帯を決める 

– 帰宅後や就寝前に、ストレッチや深呼吸、入浴など、リラックスする習慣を取り入れる 

 

こうした「終業の合図」を日常のルーティンに組み込むことは、小さなことに見えて、心の切り替えに役立つことがあります。 

 

③ ひとりで抱え込まず、早めに相談する 

職場の人間関係や評価への不安から、「弱みを見せたくない」「周囲に心配をかけたくない」と感じる方も多いと思います。 

それでも、つらさをひとりで抱え込み続けると、不調が長引いたり、重くなったりするリスクがあります。 

 

まずは、信頼できる家族や友人、職場の上司・同僚、産業保健スタッフなどに、自分の状態を話してみることもひとつの選択肢です。 

そのうえで、症状が続く場合や、日常生活に支障を感じる場合には、メンタルヘルスに対応している医療機関や相談機関への受診・相談も検討してみてください。 

 

 

4.職場と個人の両方から整えていく 

ストレス対策は、「自分の頑張り」だけで何とかする必要はありません。  働く人を守るために、会社には労働安全衛生法などに基づく健康管理や安全配慮の責任が求められています。  具体的には、次のような制度や窓口が設けられている企業も多くあります。 

– 上司や人事との面談を通じて、業務量や担当範囲の調整を相談する 

– 産業医・産業保健スタッフ・保健師などの面談を利用する 

– 社内のメンタルヘルス研修やEAP(従業員支援プログラム)を活用する 

 

これらは「我慢できなくなってから」利用するものではなく、「少し気になる段階」で相談することも想定されています。  体調やメンタルの不調を会社に伝えることは、迷惑をかける行為ではなく、働く人として当然の相談行動のひとつです。 

 

メンタルヘルスケアは、生活を大きく変えることよりも、日々の小さな積み重ねが大切です。たとえば、就寝前30分はスマートフォンから離れて目と頭を休めたり、週に1日は予定を入れず「何もしない時間」をつくるだけでも、心の負担は軽くなります。

モヤモヤした気持ちはノートやスマホメモに書き出すのも効果的です。ただし、こうしたセルフケアだけで抱え込みすぎないでください。