心療内科・精神科とよだクリニック

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2026年4月の一覧

  • 発達障害・てんかんと診断されたら? 気をつけたいポイント 精神科コラム
    • 本記事では、発達障害とてんかんという2つの診断を併せ持つ場合に、学校・仕事・日常生活のそれぞれの場面でどのような点に注意すればいいのか、そして周囲との情報共有や生活リズムづくりなど日常で取り入れやすい工夫について、現在知られている一般的な考え方をもとにわかりやすく整理します。

      1.なぜ「発達障害+てんかん」は誤解されやすいのか 

      発達障害(神経発達症)とてんかんは、診断名としては別々に扱われますが、どちらも脳のネットワークや電気的活動のあり方と関連すると考えられています。

      そのため、発達特性やてんかん発作の特徴によっては、一方の症状が目立ち、もう一方が見過ごされてしまうこともあります。 

      現場では、例えば次のような誤解や困りごとが見られることがあります。 

      – 「てんかん」と聞くと、ドラマのイメージから「突然倒れる発作」だけを思い浮かべてしまう 

      – 集中力や判断力に波があり、「やる気がない」「怠けている」と受け取られてしまう 

      – 薬の副作用による眠気やだるさなのか、発達特性や疲労によるものなのか区別が難しい 

      – 学校や職場に診断名や配慮を伝えづらく、ひとりで抱え込んでしまう 

      こうした誤解や情報不足が続くと、ご本人が「自分の努力不足だ」と感じ、ストレスや自信の低下につながることもあります。  まずは、発達障害とてんかんの両方について、本人・家族・周囲の人が基本的な理解を共有することが、支援の出発点になります。 

      2.あなたや家族は、ひとりではありません 

      発達障害とてんかんの両方の診断を受けた方やご家族からは、「自分たちは少数派なのでは」「理解してもらえないのでは」といった不安の声を聞くことがあります。 

      しかし、小児てんかんの領域では、発達障害との併存が一定の割合で報告されており、決して珍しい組み合わせではありません。

      神経発達症は、「脳の働き方や反応の仕方に多様性がある」と言い換えることもできます。 脳のネットワークの結びつき方や、電気的な活動の特徴が一般的なパターンと少し異なるために、集中の仕方、刺激への反応、予定の変更への対応などに独特の傾向が現れることがあります。 

      こうした特性があると、周囲の理解や環境の工夫があれば、強みとして生かせる場面もあれば、支援が必要になる場面もあります。  「特別だから大変」というよりも、「自分に合ったペースやスタイルを探す必要がある」ととらえ、医療・福祉・教育などの専門家と一緒に考えていくことが大切です。 

      3.診断を受けたときに押さえたい3つの視点 

      発達障害とてんかんの両方を抱える場合、「病気をなくすこと」だけに焦点を当てるのではなく、「どう暮らしやすい環境を整えるか」という視点が重要になります。  ここでは、一般的に重要とされる3つのポイントを挙げます。 

      ① 正確な診断と継続的な治療・服薬管理 

      てんかんは、発作のタイプや原因によって適切な薬や治療が異なります。 発作がしばらく起きていない場合でも、自己判断で薬を減量・中止すると、再発のリスクが高まることがあります。

      – 主治医の指示に従って、定期的に受診する 

      – 必要に応じて脳波検査などを行い、発作のコントロール状況を確認する 

      – 飲み忘れや副作用について、不安があれば早めに相談する 

      また、発達特性に応じて、心理社会的支援(心理療法、ソーシャルスキルトレーニング、環境調整など)が役立つ場合もあります。 薬だけでなく、周囲の環境や支援体制も含めて治療・支援を考えていくことがポイントです。 

      ② 周囲との情報共有と安全確保 

      学校や職場など、日常生活の多くの時間を過ごす場で、必要な情報を適切に共有することは、安全と安心の両方につながります。

      診断名を伝えるかどうかは、ご本人と家族の希望や状況によって異なりますが、「誰にも伝えない」場合には、発作や体調不良が起きたときの対応が遅れたり、誤解されやすくなったりすることもあります。

      信頼できる範囲の人から少しずつ情報を共有し、「どんな時に助けが必要で、どんな配慮があると力を発揮しやすいか」を一緒に考えてもらうことが現実的な方法です。 

      ③ 生活リズムとストレスのマネジメント 

      てんかんでは、睡眠不足・過度の疲労・心理的ストレスなどが発作の誘因となることが知られています。発達障害の特性上、予定変更や感覚刺激などのストレスがたまりやすい場合もあり、生活リズムとストレス管理はより重要なテーマになります。 

      – 十分な睡眠時間を確保し、就寝・起床時刻をできるだけ一定に保つ

      – 過度な残業や、連日のハードな活動が続かないよう、スケジュールを調整する 

      – 休日には「何もしない時間」や、安心して過ごせる場所・活動を意識的に作る 

      – どのような場面でストレスを感じやすいかを振り返り、事前に対処法を考えておく

      ご本人だけでなく、家族や周囲の人も一緒に生活リズムの工夫を考えることで、発作リスクを下げ、日々の負担感を軽減しやすくなります。 

      4.診断は「終わり」ではなく「理解の入口」 

      発達障害とてんかんの診断は、「制限」を意味するだけのものではありません。  自分の特性や体の反応の傾向が言葉になったことで、「なぜ今までうまくいかなかったのか」「どんな工夫があれば過ごしやすくなるのか」を整理しやすくなる側面もあります。 

      誰にでも、得意なこと・苦手なこと、疲れやすい場面があります。 

      発達障害とてんかんの診断は、その特徴を理解し、自分のペースで生活や学び、仕事を組み立てていくための手がかりのひとつと考えることができます。 

      不安なときは、ひとりで抱え込まず、主治医や相談機関、支援者と一緒に「今できること」を一つずつ確認していくことが大切です。 

      当院は、精神科として多くの患者様の診断と治療に携わってきました。てんかん専門医としても認定を受けており、安心してご相談いただけます。

  • 子育ての不安と恐怖とは-心の守り方につて 精神科コラム
    • 本記事では、子育ての中で多くの人が経験しやすい不安や恐怖の感じ方にはどのような特徴があるのか、そして心の負担を和らげるために日常生活で取り入れやすい工夫や、公的支援・専門家相談の活用ポイントについて、現在知られている一般的な考え方をもとにわかりやすく整理します。

      1.子育ての不安と恐怖は「よくある心の反応」

      初めての子育てでは、授乳や寝かしつけ、夜泣き、体調不良など、今まで経験したことのない出来事が次々にやってきます。「この対応で合っているのかな」「もし自分のせいで何かあったらどうしよう」と不安になるのは、とても自然なことです。 

      実際、国内の調査でも、出産後1年以内の母親のかなり多くが不安感や負担感を抱えていることが報告されています。 これは、特別な一部の人だけに起きているわけではなく、「子どもを守ろう」として真剣に向き合っているからこそ生じる心の反応だと考えられています。

      2.「不安を感じる自分はダメ」ではありません

      診療の場でも、「こんなに不安になるのは、自分が弱いから」「母親失格だと思ってしまう」と話される方がいます。

      しかし、育児に伴う不安や揺れ動く感情は、多くの人に共通して見られるものであり、それ自体が異常と決めつけられるものではありません。

      産後は、ホルモンバランスの変化や睡眠不足、生活リズムの乱れなどが重なり、心が不安定になりやすい時期です。 その中で「子どもに危険がないか」「ちゃんと育てられているか」と心配になるのは、子どもを大切に思う気持ちがあるからこそ、とも言えます。

      「不安がある=ダメな親」ではなく、「不安を感じるほど真剣に子育てに向き合っている」と捉え直すことが、心を守る第一歩になります。 

      3.不安や恐怖に押しつぶされそうなとき

      次のような状態が続くと、とてもつらく感じやすくなります。 

      – 子どもの体調が少し変わるだけで、大きな不安を感じてしまう 

      – 寝ている赤ちゃんの呼吸を何度も確認してしまい、休めない 

      – SNSで他の家庭の育児を見て、自分と比べて落ち込んでしまう 

      – 感情が揺れやすく、自己嫌悪や罪悪感で頭がいっぱいになる 

      こうした状態を「気の持ちよう」で我慢し続けると、心身の疲労がたまり、抑うつ状態やいわゆる「育児ノイローゼ」と呼ばれる状態に近づいてしまうことがあります。 大切なのは、「不安を感じたあとに、どう対処するか」です。 

      4.不安と付き合うための3つの視点

      完全に不安をなくすことは難しいですが、「不安とうまく距離をとる」ことは、少しずつ練習していくことができます。

      ① 感じていることを言葉にしてみる

      不安は、頭の中だけでぐるぐる考えていると、どんどん大きく感じられてしまいます。 

      紙やスマホのメモに「今、何が心配なのか」「どんな場面で不安が強くなるのか」を書き出してみると、頭の中が整理されやすくなります。

      – 「夜中に何度も起きてしまうのがつらい」 

      – 「泣き止まないと、自分が責められているように感じる」 

      など、できるだけ具体的に書くことで、「これは睡眠不足の問題かもしれない」「一人で背負い込みすぎているのかもしれない」といった気づきにつながることもあります。 

      ② 一人で抱え込まない仕組みをつくる

      家族やパートナー、友人、地域の子育て支援サービスなど、話を聞いてくれる人や場所をあらかじめ確保しておくことは、とても大きな支えになります(以下)。

      – 地域の保健センター・子育て世代包括支援センターでの育児相談

      – 地域の子育てサロンや親子ひろば、子育て支援NPO 

      – オンラインや電話での育児相談窓口 

      「相談したら迷惑ではないか」と心配になるかもしれませんが、支援機関はまさにそうした不安や悩みを聞くために設けられています。 誰かに話すことで、不安がすべて解決しなくても、「自分ひとりの問題ではない」と感じられるだけで気持ちが少し軽くなることがあります。 

      ③ 「完璧じゃなくていい」と決めてみる

      育児中は、「ちゃんとやらなきゃ」「失敗してはいけない」と考えがちです。  しかし、「理想どおりにできない自分」を責め続けると、心のエネルギーがどんどん削られてしまいます。

      子どもにとって大切なのは、「毎日完璧な親」ではなく、「安心できる関わりをしてくれる存在」であることだと言われています。

      家事が予定どおり進まない日があっても、「今日は休む日」と考え直してみるなど、少しゆるめる工夫も、心を守る大切なスキルのひとつです。 

      5.公的な支援制度や専門家も活用して良い

      日本では、子育て家庭の不安や悩みを支えるための公的な仕組みが整えられつつあります。

      – 保健センターやこども家庭センターでの育児相談・家庭訪問など

      – 産後ケア事業、子育て世代包括支援センターによる支援

      – 精神科・心療内科・産婦人科などでの、産後のメンタルヘルス相談

      「医療機関に行くほどではないかもしれない」と感じていても、眠れない日が続く、涙が止まらない、気分が落ち込みすぎて日常生活がつらい、といった場合には、早めに相談することで、重くなる前に手立てを考えやすくなります。

      眠れない、理由もなく涙が出る、家族にイライラしてしまう——そんなサインが続くときは、心のエネルギーがかなり消耗している状態かもしれません。

      「まだ頑張れる」「みんなも同じだから」と自分を奮い立たせる前に、「少しつらいかも」と感じたその瞬間に、立ち止まってほしいのです。

      セルフケアはとても大切ですが、それだけで抱え込み過ぎてしまうこともあります。

      心の不調は気合いや努力で解決できるものではありません。無理をせず、早めに当院のような精神科・心療内科を含めた専門機関へご相談ください。

  • 【要注意】職場のストレスがうつ病に… 精神科コラム
    • 本記事では、職場でのストレスがつらくなる前の段階でどのようなサインが現れやすいのか、そして日常生活の中で取り入れやすいセルフケアや、職場・専門機関への相談のポイントについて整理します。

       

      1.職場のストレスサインが見過ごされやすい理由 

      多くの職場では、「頑張ること」「我慢すること」が評価されやすく、忙しさや負担を感じていても「自分だけが弱いのではないか」「ここで休んだら迷惑をかけてしまう」と考え、無理を重ねてしまう方が少なくありません。 

      特に、責任感が強い方や、周りから頼られやすい方ほど、自分の限界ラインを後回しにしてしまう傾向があります。 

       

      次のようなサインに、思い当たるところはないでしょうか。 

      – 朝起きたとき、仕事のことを考えると憂うつになる 

      – 以前より寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める 

      – ミスが増えた、集中力が続かないと感じる 

      – 感情の波が大きく、涙もろくなったり、イライラしやすくなった 

      – 「自分だけがうまくいっていない」と感じることが増えた 

       

      こうした変化は、仕事への適性や性格だけでなく、「ストレスが蓄積して心身が疲れてきているサイン」として現れている場合があります。  放置すると日常生活に支障が出るほどの不調につながることもあるため、早めに気づき、対処していくことが大切です。 

       

       

       2.「自分が弱いから」ではありません 

      相談の現場では、「自分はメンタルが弱い」「同僚も頑張っているのに情けない」と、ご自身を責めてしまう方が少なくありません。 

      しかし、強いストレス下で気分が落ち込んだり、意欲が低下したりするのは、誰にでも起こり得る心身の反応です。 

      たとえば、風邪をひくと熱が出るように、過度なストレスが続くと、睡眠・食欲・意欲・集中力などに変化が出ることがあります。 

      「気持ちの持ちよう」の問題ではなく、脳や身体のはたらきがストレスの影響を受けている状態と捉えると、少し見え方が変わるかもしれません。 

       

      真面目で責任感の強い方ほど、自分の疲れに気づきにくく、限界を超えるまで頑張り続けてしまうことがあります。 

      「自分が悪い」「弱い」と責めるのではなく、「心のコンディションが落ちてきているサインかもしれない」と受け止め、適切に休息や相談の機会をとることが大切です。 

       

       

      3.つらくなりすぎる前にできる3つのステップ 

      心の不調を悪化させないためには、「早めに変化に気づき、ひとりで抱え込まないこと」がポイントになります。  ここでは、一般的なセルフケアのステップを3つに整理してお伝えします。 

       

      ① 自分の「心と身体のサイン」に気づく 

      疲れているときほど、「まだ大丈夫」「ここを乗り切れば」と、自分のサインを無視しがちです。 

      しかし、長時間の残業や睡眠不足が続いたままでは、仕事のパフォーマンスも落ち、ミスやトラブルにつながることがあります。 

      こうした変化に「いつもと違うな」と気づけるだけでも、立ち止まるきっかけになります。 

      少しでも違和感を覚えたら、早めに休息を増やしたり、信頼できる人に話してみることを検討してみてください。 

       

      ② 仕事とプライベートの境界線を意識的に作る 

      在宅勤務やスマートフォンの普及により、「いつでも仕事につながってしまう」状態になりやすくなっています。 

      意識的にオンとオフの切り替えをつくることで、心身を休める時間を確保しやすくなります。  たとえば次のような例です。

      業時間になったらパソコンの電源を切る 

      – 退勤後は仕事のメールやチャットを確認しない時間帯を決める 

      – 帰宅後や就寝前に、ストレッチや深呼吸、入浴など、リラックスする習慣を取り入れる 

       

      こうした「終業の合図」を日常のルーティンに組み込むことは、小さなことに見えて、心の切り替えに役立つことがあります。 

       

      ③ ひとりで抱え込まず、早めに相談する 

      職場の人間関係や評価への不安から、「弱みを見せたくない」「周囲に心配をかけたくない」と感じる方も多いと思います。 

      それでも、つらさをひとりで抱え込み続けると、不調が長引いたり、重くなったりするリスクがあります。 

       

      まずは、信頼できる家族や友人、職場の上司・同僚、産業保健スタッフなどに、自分の状態を話してみることもひとつの選択肢です。 

      そのうえで、症状が続く場合や、日常生活に支障を感じる場合には、メンタルヘルスに対応している医療機関や相談機関への受診・相談も検討してみてください。 

       

       

      4.職場と個人の両方から整えていく 

      ストレス対策は、「自分の頑張り」だけで何とかする必要はありません。  働く人を守るために、会社には労働安全衛生法などに基づく健康管理や安全配慮の責任が求められています。  具体的には、次のような制度や窓口が設けられている企業も多くあります。 

      – 上司や人事との面談を通じて、業務量や担当範囲の調整を相談する 

      – 産業医・産業保健スタッフ・保健師などの面談を利用する 

      – 社内のメンタルヘルス研修やEAP(従業員支援プログラム)を活用する 

       

      これらは「我慢できなくなってから」利用するものではなく、「少し気になる段階」で相談することも想定されています。  体調やメンタルの不調を会社に伝えることは、迷惑をかける行為ではなく、働く人として当然の相談行動のひとつです。 

       

      メンタルヘルスケアは、生活を大きく変えることよりも、日々の小さな積み重ねが大切です。たとえば、就寝前30分はスマートフォンから離れて目と頭を休めたり、週に1日は予定を入れず「何もしない時間」をつくるだけでも、心の負担は軽くなります。

      モヤモヤした気持ちはノートやスマホメモに書き出すのも効果的です。ただし、こうしたセルフケアだけで抱え込みすぎないでください。