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当てはまったら要注意?大人の発達障害10のチェック
精神科コラム
《2025年10月17日10:10 公開》
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大人の発達障害は、子供の頃には気づかれにくく、日々の生きづらさとして表面化することが多くあります。この記事では、大人の発達障害の特性や、あなたが抱える困りごとの正体について解説します。
1. もしかして、私も発達障害「仕事でミスが多い」「人間関係がうまくいかない」「片付けが苦手で部屋が散らかる」。そうした日常の困りごとを抱え、「自分はだらしがないだけだ」と諦めていませんか?あるいは、「どうして周りの人と同じようにできないんだろう」と、自分を責めてばかりいませんか。もしかすると、それは性格や努力不足ではなく、発達障害という脳の特性が関係しているかもしれません。
発達障害は、生まれつきの脳機能の偏りによって、日常生活や社会生活で困難を抱えやすい特性のことです。子供の頃には「個性」として見過ごされてしまったり、周囲のサポートによって困りごとが表面化しなかったりすることが多くあります。しかし、社会に出て、仕事や家庭、人間関係といった複雑な環境に適応しようとすることで、子供の頃にはなかった「生きづらさ」として、その特性が顕著になることがあります。これを「大人の発達障害」と呼びます。
2. 大人の発達障害の特性
発達障害は、脳の機能に生まれつき偏りがあることで、日常生活においてさまざまな困難を引き起こすものです。それは病気ではなく、その人が持つ個性の一つです。しかし、この特性が社会生活のなかで周囲とのズレを生み、「生きづらさ」として感じられることが多くあります。
主な発達障害の特性は、以下の3つのタイプに分けられます。
ADHD(注意欠陥・多動性障害):
不注意、多動性、衝動性といった特性があります。仕事でミスが多かったり、うっかり忘れ物をしてしまったり、集中力が続かず一つの作業に長時間取り組めなかったりします。「思いつくとすぐ行動してしまう」といった衝動的な行動も特徴の一つです。
ASD(自閉スペクトラム症):
人とのコミュニケーションや社会性の困難、特定の物事への強いこだわりといった特性があります。周囲の人の気持ちや意図を汲み取ることが苦手で、会話のキャッチボールがスムーズにいかないことがあります。また、曖昧な指示を理解することが難しく、「具体的にどうすればいいのか」が分からず困ることもあります。特定のルールや習慣、興味のあることに対して強いこだわりを持つことも特徴です。
LD(学習障害):
読み書き、計算など、特定の学習能力に著しい困難があります。
これらの特性は単独で現れることもありますが、複数の特性が複雑に絡み合っていることも少なくありません。例えば、不注意によるミスが多いと「だらしない」と責められたり、コミュニケーションがうまくいかないと「協調性がない」と誤解されたりすることがあります。これらの経験が積み重なることで、自己肯定感が低くなり、自信を失ってしまいがちです。
こうした「生きづらさ」の根本には、特性に対する周囲の理解不足や、自分自身が特性を把握できていないことによるミスマッチがあるのです。
3.二次的に発症する精神疾患についての理解も大切
発達障害そのものよりも、実際の生活を大きく困難にしているのは「二次的に発症する精神疾患」であることが少なくありません。
例えば、失敗体験の積み重ねから自信を失い「うつ病」を発症したり、対人関係の不安から「不安障害」に悩まされたりするケースがあります。また、生活リズムの乱れによる「不眠症」や、気分の波が大きくなる「双極性障害」が併存することもあり、さらにはストレスを和らげようとして「依存症」に至ることもあります。
こうした症状は本人の努力や工夫だけでは改善が難しいことが多いため、長く心身の調子が優れないと感じる場合には、精神科や心療内科といった専門医での診断と治療を受けることが大切です。
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残暑厳しい夏の終わりに不眠、原因は暑さだけ?心の不眠対策
精神科コラム
《2025年10月10日10:00 公開》
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「暑さが和らいだはずなのに、なぜか眠れない…」そんな悩みを抱えていませんか?残暑が厳しいこの時期、単なる寝苦しさではない、不眠の原因があるかもしれません。実は、夏の間に溜まった心身の疲れや、自律神経の乱れが深く関わっているのです。
この記事では、暑さだけではない不眠のメカニズムについて書いていきます。
残暑がもたらす夏の不眠
夏の強烈な暑さは、私たちの体に想像以上の疲労を蓄積させています。日中の厳しい日差しや高気温は、自律神経を常に刺激し続け、交感神経が優位になりがちです。交感神経は体の活動を司るため、夏の期間中、私たちの体は常に「オン」の状態にあります。
この状態が続くと、気温が下がった夜になっても、体を休息モードに切り替える副交感神経へのスイッチがスムーズに入りません。その結果、「疲れているはずなのに眠れない」といった不眠の悩みに直面します。さらに、寝苦しい夜が続くと「また眠れないのではないか」という不安が募り、それが精神的なストレスとなって、不眠をさらに悪化させる悪循環に陥ってしまうことも珍しくありません。
不眠の原因は、単に「暑いから」という問題だけでなく、夏の間に蓄積された心身の疲労や、それに伴う自律神経の乱れが深く関係しています。表面的な暑さが和らいでも、体の内側に溜まった疲労は簡単には解消されません。
快適な秋の夜長を過ごすためには、夏の不眠のメカニズムを正しく理解し、心身のバランスを根本から整えることが大切です。次に、不眠の具体的な原因をさらに掘り下げ、効果的な対策について解説します。
心の不眠対策
ここからは、不眠を解消するために、心の状態に焦点を当てた具体的な対策を3つ紹介します。
ステップ1:就寝前の「クールダウンタイム」を設ける
寝る直前までスマートフォンやパソコンを見るのは避けましょう。画面から発せられるブルーライトは、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を抑制します。就寝の1~2時間前にはデジタル機器から離れ、読書や軽いストレッチ、アロマを焚くなど、心身を落ち着かせる時間を取りましょう。
ステップ2:食事と入浴で自律神経を整える
寝る前のカフェインやアルコールの摂取は控えましょう。特にアルコールは、一時的に眠気を誘っても、夜中に覚醒を引き起こす原因になります。夕食は就寝の3時間前までに済ませ、消化の良いものを心がけましょう。また、就寝の1~2時間前にぬるめのお湯(38~40℃)にゆっくり浸かることも効果的です。体を芯から温めることで副交感神経が優位になり、リラックスした状態に導かれます。
ステップ3:日記をつけて不安を「見える化」する
不眠の原因が、漠然とした不安やストレスであることも少なくありません。寝る前に、その日あった出来事や感じたことを簡単に日記に書き出してみましょう。頭の中でぐるぐる考えていたことが言葉になることで、心の整理がつき、不安が軽減されることがあります。
残暑による不眠は、心身のSOSサインかもしれません。セルフケアを続けてもなかなか眠りの質が改善しない場合や、日中の倦怠感や気分の落ち込みが強くなる場合には、単なる一時的な不眠ではなく、不眠症やうつ病などの精神的な疾患が背景にあることも少なくありません。早めに精神科や心療内科といった専門医に相談することが大切です。
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「やる気が出ない」「仕事に行きたくない」は心のSOS?
精神科コラム
《2025年10月3日10:00 公開》
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この記事では、「やる気が出ない」という感情の裏に隠された原因を深く掘り下げます。
1. なぜ、やる気が出ないのか
「明日も仕事か…」「なんだかやる気が起きない…」と感じていませんか。多くの人が、このような気持ちを「ただの疲れ」「自分の甘え」として片付けがちです。しかし、その気持ちは、あなたの心が発している大切なSOS信号かもしれません。一時的な気分の問題として見過ごさず、その根本にある原因に目を向けることが、心の健康を守るための最初のステップです。
現代社会では、仕事のプレッシャーや人間関係のストレス、終わりなき情報過多の生活が、私たちの心に大きな負担をかけています。これは、目に見えない形で少しずつ蓄積され、やがて心身の不調として現れます。やる気が出ないという症状は、その初期段階で現れる代表的なサインの一つです。このサインを無視し続けると、気分がさらに落ち込んだり、身体的な不調(頭痛、胃痛、不眠など)につながることもあります。
2. その「やる気が出ない」の裏にある隠れた原因
一つ目の原因が、精神的疲労です。人間関係の悩みや、期待に応えられないというプレッシャー、自分の仕事に達成感や意義を見出せない状態が続くと、心は少しずつ疲弊していきます。このような精神的な負担は、気づかないうちに蓄積され、やがて「やる気が出ない」という形で表面に出てくるのです。
次に注意したいのが、燃え尽き症候群(バーンアウト)です。これは、仕事に情熱を注ぎすぎた結果、心身のエネルギーが完全に枯渇してしまう状態を指します。以前は仕事熱心だった人が、突然、意欲を失い、無気力感や激しい倦怠感に襲われることが特徴です。自分がどれだけ頑張ったかという自覚がないまま、徐々に心身の限界に達してしまうケースが多く見られます。
さらに、気分の落ち込みや興味の喪失、集中力の低下、不眠といった抑うつ状態の症状として、やる気が出ないという感覚が現れることもあります。これらの症状は単独で現れることもありますが、多くの場合、複雑に絡み合って不調を引き起こしています。
3. 心の不調への対処法
ここからは、3つの対処法を提案します。
① 小さな達成感を積み重ねる
大きな目標ではなく、「今日中にこのメールに返信する」「書類を一枚整理する」といった小さな目標を立て、達成する経験を増やしましょう。小さな成功体験が、自己肯定感を高め、次の行動へのエネルギーになります。
② 「あえて」休む時間を作る
「休むこと」に罪悪感を感じる必要はありません。仕事から完全に離れ、好きなことや趣味に没頭する時間を意識的に作りましょう。これは「サボり」ではなく、心身のエネルギーを充電するための大切な時間です。
「自力で解決できない」「症状が長引いている」と感じたら、一人で抱え込まずに精神科や心療内科を受診することを検討しましょう。専門家と話すだけでも気持ちが楽になりますし、必要に応じて適切なアドバイスや治療を受けることができます。
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