心療内科・精神科とよだクリニック

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脳梗塞→てんかん→認知症?知っておくべき繋がりと受診科

この記事では、脳梗塞と、その後に起こり得るてんかん、そして認知症との関連性について解説いたします。また、どのような症状が出た際に、どの診療科を受診すればよいのか、具体的な目安も紹介します。

 

1.脳梗塞が引き金、てんかん発作

脳梗塞は、脳の血管が詰まることで、脳細胞に十分な酸素や栄養が供給されなくなり、その部分の脳細胞がダメージを受ける病気です。このダメージを受けた脳の部位が、後に「てんかん発作」の原因となることがあります。これを「症候性てんかん」と呼びます。

 

脳梗塞によって脳細胞が傷つくと、その部分の神経細胞が異常な電気的興奮を起こしやすくなることがあります。この異常な電気信号が周囲に広がることで、けいれんや意識障害といった、てんかん特有の発作が引き起こされるのです。全ての脳梗塞経験者がてんかんを発症するわけではありませんが、発症のリスクがあることは知っておく必要があります。

 

発作の現れ方は様々です。手足がガクガクと震えるような分かりやすいけいれんだけでなく、一点をじっと見つめて反応がなくなる、口をもぐもぐさせる、意識がもうろうとするなど、一見しててんかん発作とは分かりにくい症状もあります。発症時期も、脳梗塞直後から数年後までと幅広いため、注意深い観察が大切です。

 

2.脳梗塞と認知症の深い関係性

脳梗塞は、認知症を発症する原因の一つとしても知られています。特に「血管性認知症」と呼ばれるタイプの認知症は、脳梗塞や脳出血など、脳の血管の病気が原因で引き起こされるものです。脳の特定の部分への血流が途絶えたり、悪くなったりすることで神経細胞が死滅し、その結果として認知機能が低下します。

 

血管性認知症の症状は、脳梗塞が起きた場所や範囲によって様々です。記憶障害(特に新しいことを覚えにくい)、物事を計画して実行する能力の低下、判断力の低下、失語や失行(言葉を理解したり話したり、道具を使ったりすることが難しくなる)などが現れることがあります。また、感情のコントロールが難しくなり、急に怒り出したり、逆に無気力になったりすることも少なくありません。アルツハイマー型認知症と異なり、症状が段階的に悪化し、比較的保たれている能力と低下した能力が混在する「まだら認知症」と呼ばれる状態になることも特徴の一つです。

 

さらに、脳梗塞後に発症したてんかんが、認知機能の低下を助長する可能性も指摘されています。てんかん発作が繰り返されることで、脳への負担が増加し、認知症の進行を早めてしまう場合があるのです。そのため、てんかん発作をコントロールすることも、認知機能の維持には重要となります。

 

 

3.何科を受診すべきなのか

脳梗塞を発症した場合、まずは「脳神経外科」や「神経内科」で治療を受けるのが一般的です。これらの診療科が、脳梗塞の急性期治療からその後の経過観察までを担当します。脳梗塞後にけいれん発作などのてんかんが疑われる症状が現れた場合も、まずはこれらの主治医に相談しましょう。適切な検査を経て、てんかんと診断されれば、抗てんかん薬による治療などが開始されます。

 

一方で、物忘れが目立つようになった、以前と比べて怒りっぽくなった、意欲が低下したなど、認知機能や行動の変化が見られるようになった場合も、まずは脳梗塞の治療を担当している主治医に相談することを推奨します。主治医は、必要に応じて「もの忘れ外来」や認知症を専門とする「老年内科医」「神経内科医」「精神科医」などを紹介してくれます。

 

ここで「精神科」の役割についてもお伝えします。てんかん発作に伴って不安や抑うつ気分が強くなる場合や、認知症に伴う行動・心理症状(BPSD:暴言、暴力、徘徊、幻覚、妄想、抑うつなど)が顕著な場合には、精神科医が治療に関わります。特にBPSDは、ご本人だけでなく介護するご家族にとっても大きな負担となるため、精神科医による薬物療法や環境調整のアドバイスが有効となります。各診療科が連携し、それぞれの専門性を活かして包括的な治療・ケアを行うことが理想的です。

 

 

必ずしも全ての脳梗塞経験者がてんかんや認知症を発症するわけではありません。そして、万が一、発症した場合でも、適切な治療やリハビリテーション、そして周囲のサポートによって、症状の進行を緩やかにしたり、生活の質を維持したりすることは十分に可能です。

大切なのは、些細な変化も見逃さず、不安なことがあれば一人で抱え込まずに、かかりつけ医や専門医に相談することです。

 

※当院は精神科の専門クリニックですが、担当医は精神神経学会専門医、てんかん学会専門医、認知症学会専門医であり、急性期の治療を終えた認知症、てんかんの方の薬物療法や認知症のBPSD、てんかんに合併する精神医学的合併症のご相談に対応しております。お気軽にお問合せください。