心療内科・精神科とよだクリニック

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やる気がない・寝てばかりの高校生 単なるサボりではない心の病気

この記事では、高校生の無気力や過眠の背景に、どのような心身の不調が隠れていることがあるのか、そして保護者としてどのように関わればよいかを解説します。ここで述べる内容は一般的な情報であり、特定の治療や効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医師などの専門家にご相談ください。 

1.「怠けている」で片付けてしまわないために 

「最近学校に行きたがらない」「休みの日はほとんど寝ていて、声をかけても反応が薄い」。高校生のお子さんを持つ保護者の方から、こうした相談が寄せられることは珍しくありません。周囲からは「やる気がないだけ」「怠けている」と見られやすい状態ですが、その背景に心やからだの不調が隠れていることもあります。 

朝起きられない、授業中に居眠りしてしまう、休日はほとんどベッドから動けない、といった様子が続くと、保護者としてはつい「甘えているのでは」「スマホやゲームのせいでは」と考えてしまいがちです。しかし、睡眠や気分、体のだるさなどにかかわる不調があると、本人の努力だけではどうにもならない状態になることがあります。 

そのような時に「もっと頑張りなさい」「気合が足りない」と叱責を続けると、本人は自分を責めやすくなり、気分の落ち込みや自己否定が強まってしまうことがあります。生活全体に影響が広がるケースもあるため、早い段階での気付きと相談が重要です。 

2.高校生の無気力や過眠の背景にある主な心身の不調 

高校生の「やる気が出ない」「寝てばかりいる」といった状態の背景には、さまざまな要因が関係している可能性があります。 

– 気分や意欲の低下 

  以前楽しめていたことが楽しく感じられない、些細なことでイライラしやすい、集中力が続かない、食欲が落ちているなどの変化がみられることがあります。「自分なんて価値がない」「いなくなってしまいたい」といった否定的な考えが頭から離れない場合は、早めの相談が特に重要です。 

– 朝起きづらさや立ちくらみを伴う状態 

  朝になると強いだるさや頭痛、めまい、立ちくらみなどが出やすく、午後になるといくらか動きやすくなるといったパターンもあります。周囲からは「夜更かしのせい」と誤解されやすい一方で、自律神経のバランスの乱れなどが影響していることもあります。 

– 強い疲労感が続く状態 

  十分に寝たはずなのに疲れが取れない、軽い活動でも極端に疲れてしまう、といった状態が長く続くこともあります。だるさに加えて、筋肉や関節の痛み、集中力や記憶力の低下を訴えることもあります。 

– 睡眠リズムや発達特性に関連する状態 

  過眠傾向を伴う睡眠の障害や、発達特性に関連したストレスから、二次的に気分の落ち込みが強くなることもあります。学校や家庭で「頑張りが足りない」と見られ続けると、本人は自信を失いやすくなります。 

これらはあくまで一般的な例であり、実際には複数の要因が重なっていることも少なくありません。 

3.個別のケースから見える回復のプロセス 

たとえば、高校生活の途中から朝起きられなくなり、遅刻や欠席が増えた生徒がいたとします。周囲から「怠けている」と受け取られ、本人も「自分はダメだ」と感じるようになっていたケースでは、医療機関を受診した結果、気分の落ち込みと自律神経の不調が重なっていることが分かる場合があります。 

そのようなケースでは、医師による診察・説明のもとで、薬によるサポートや生活リズムを整える工夫、考え方のクセに気付くための心理的支援などが組み合わされることがあります。学校とも相談しながら負担を調整し、少しずつ午前中の登校ができるようになり、時間をかけて部活動や友人関係へと活動の幅が戻っていく例もあります。 

大切なのは「怠けている」と決めつけるのではなく、「何か困っていることがあるのかもしれない」と視点を切り替えることです。 

4.保護者ができる具体的なサポート 

保護者としてまず意識したいのは、お子さんの状態を一方的に評価するのではなく、話を聴く姿勢です。 

– 「どうしてできないの?」ではなく、「最近どんなことがつらい?」と尋ねる 

– 「怠けている」と責めるのではなく、「困っていることがあれば一緒に考えたい」と伝える 

– できていること、頑張れていることにも目を向けて言葉にする 

こうした関わりは、本人が「話してもいいかもしれない」と感じるきっかけになります。 

つらい状態が2週間以上続く、学校生活や家庭生活に明らかな支障が出ている、自分を傷つけるような言動が見られる、といった場合には、医療機関や相談窓口への受診・相談を検討してください。受診の際には、 

– いつ頃からどんな様子が続いているか 

– どの時間帯やどんな場面でつらさが強いか 

– 睡眠・食事・友人関係・学校の様子の変化 

といった情報を整理して伝えると、専門家が状況を把握しやすくなります。 

あわせて、学校との連携も重要です。担任やスクールカウンセラー、養護教諭などに現状を共有し、課題や出席の扱いなどについて相談することで、本人の負担を減らす工夫ができる場合があります。家庭では、規則正しい生活リズムを目指しつつも、無理やり起こしたり、厳しく叱りつけたりする対応は避けましょう。朝日を浴びる、軽い散歩を取り入れる、食事のリズムを整えるなど、できる範囲でサポートしていく姿勢が大切です。