心療内科・精神科とよだクリニック

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てんかんとは

てんかんとは

てんかんの定義と分類

(てんかんの定義)

てんかんとは慢性の脳の病気で、大脳の神経細胞由来の発作や脳波異常を特徴とします。原因は様々で頭のケガや、腫瘍、脳卒中等脳の傷が原因のものもありますし、体質が大きく関与しているものもあります。てんかんの定義はWHOの定義が使われていましたが、最近ではより実用的な定義が提唱されています。

※WHOの定義

てんかんとは、種々の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であって、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし、それに変化に富んだ臨床ならびに検査所見の表出が伴う(和田豊治訳)。

(てんかんの実用的臨床定義)

てんかんとは、以下のいずれかの状態と定義される脳の疾患である。24時間以上の間隔で2回以上の非誘発性(または反射性)発作を生じる。1回の非誘発性(または反射性)発作が生じ、その後10年間にわたる発作再発率が2回の非誘発性発作後の一般的な再発リスク(60%)と同程度である。てんかん症候群と診断されている。(注)年齢依存性てんかん症候群を有していたが現在はその後発年齢を過ぎている人や、過去10年間発作がなく、過去5年間に抗てんかん薬を服用していない人については、てんかんが消失したと見なされる。

(てんかんの分類)

てんかんの分類には症状であるてんかん発作の分類(ILAE、1983)と病名の分類であるてんかんおよび関連発作性疾患の分類(ILAE、1986)が用いられてきました。現在は2010年改訂提案版分類が提唱されていますが、日常の診療においては旧分類が使いやすく、てんかんを脳の器質的疾患の有無、発作の広がりにより特発性部分てんかん、特発性全般てんかん、症候性部分てんかん、症候性全般てんかんの4つに分類して治療方針を決めています。

てんかんの診断

てんかんの診断には詳細な病歴、症状の聴取に加えて、種々の検査が行われます。中でも脳波検査は最も重要で、脳波所見と発作症状の相関がみられます。
また、てんかんの原因となる脳病変の検出のため頭部CTやMRI等の画像診断が行われます。最近ではてんかんの発作の焦点を確認するためにPETやSPECT等の機能画像が撮影されることも多くなっています。

てんかんと運転免許

旧道路交通法ではてんかんは運転免許取得の絶対欠格事由でした。平成14年6月施行の改正では発作の抑制状況や発作の種類により運転免許の交付が制限される相対的欠格事由に変わりました。実際の判定については、各都道府県の公安委員会が行っており、また個々のケースにより状況が異なるため、専門医に相談してください。

てんかんと妊娠

てんかん患者さんの妊娠で問題になるのは抗てんかん薬の催奇形性と、発作の母体や胎児に与える影響です。日本てんかん学会のガイドライン、日本神経学会のガイドライン等に従い治療方針を決めますが、新規抗てんかん薬のラモトリギン、レベチラセタムが使用されること多くなっています。そのほか葉酸の補充が推奨されています。詳しくは専門医に相談してください。

てんかんに関わる福祉制度

てんかんの患者さんが外来において医療を受けるにあたり、通院医療費公費負担制度(障害者自立支援法)を利用することが出来ます。また一定の用件を満たしているものでは障害年金の受給を受けることが出来ます。その他身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳等の手帳に関する制度もあります。詳しくは市区町村の年金課や障害福祉担当課(市区町村により担当課名は違う)、掛かり付けの医療機関にお問い合せ下さい。

てんかんに関わる学会、協会

てんかんという病気を専門に研究したり、治療や医療・社会環境を向上させるための組織として日本てんかん学会、日本てんかん協会があります。また、静岡のてんかんセンター(現神経医療センター)をはじめ京都、新潟等各地にてんかんセンターが出来、てんかんの医療の中心となっています。

てんかんの治療

てんかん発作の抑制のために、抗てんかん薬が用いられます。前に述べた分類ごとに効果的な薬物が異なるため、正確な診断が必要です。また抗てんかん薬は効果が発現する量と中毒症状(薬に酔っぱらったような状態)が出現する量とが接近しており、安全かつ効果的な治療を行うためには血中濃度の測定が必須です。薬剤には相互作用が存在し、他の薬剤の服用により血中濃度が大きく変動することがあり注意を要します。

最近新規抗てんかん薬が加わり難治性てんかんへの効果が期待されます。新規抗てんかん薬は血中濃度測定が不要であることが多いです。さらに部分てんかんにも全般てんかんにも有効であったり、胎児への影響が少ないものもあります。

難治性てんかんの一部は脳外科的手術の適応となります。その他迷走神経刺激法(VNS)という開頭を行わない補助療法が実施されるようになっています。詳しくは十分な経験と知識を有する専門医にご相談下さい。

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文責:加古川の心療内科・精神科 とよだクリニック

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