急に機嫌が悪くなる人が抱える病気についての記事です。
怒りやイライラは誰にでも起こりうることです。
しかし、怒りの感情をどうしてもコントロールできない場合には、何らかの病気、精神疾患が隠れている可能性もあります。以下をご参照ください。
・転換性障害・解離性障害
以前はヒステリーと呼ばれていました。強い怒りやストレスにより、無意識の心理的葛藤が身体に現れる症状です。
具体的には、けいれん、声が出ない、意思とは無関係にでる身体の異常運動、暴言、
意識を失うなど。無意識の葛藤から解放されると苦しみが軽減されると考えられます。
・注意欠陥多動性障害(ADHD)
発達障害の一つで、多動性、衝動性、不注意が主な症状です。
注意力散漫で、衝動的な行動をしやすいのが特徴です。自身の感情コントロールが上手くできない場合が多く、カッとなりやすい激情型で、暴言、または乱暴な行動をとってしまいがちです。
・自閉症スペクトラム障害(ASD)
対人関係が苦手で、こだわりが強いといった特徴をもつ発達障害の一つです
病気というよりも、持って生まれた特性と考えられており、周囲に理解してもらえず、いじめに遭う、努力しても失敗を繰り返すことが多く、これらストレスのため、身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振、チックなど)、精神症状(不安、うつ、緊張、興奮しやすさなど)、不登校やひきこもり、暴言・暴力、自傷行為など二次障害を引き起こしやすいです。急な予定変更など非日常的なことが起きるとうまく対応できず、所謂パニックを起こして攻撃的、暴力的な行動に至ることがあります。
・認知症
認知症にはいくつかのタイプがありますが、血管型認知症ではすぐに泣いたり、怒ったりする感情失禁と呼ばれる症状を呈することがあります。また嗜銀顆粒性認知症でも易怒性などの性格変化がみられます。
一番多いタイプのアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症でもうつ症状や幻覚・妄想を呈することがあり、これらに関連して怒りっぽくなることがあります。
また、認知症のタイプに関わらず、言葉にできない不安から急に怒り出したり、介護者の態度に不満や怒りを表す人もいます。例えば、子供扱い・馬鹿にされたなど、尊厳を侮辱するような言動です。
以上、急に機嫌が悪くなる人が抱える病気について紹介致しました。
共通して言えるのが、怒りなどの感情を自分自身でコントロールできる状態ではないということです。
怒りをコントロールできない状態になった場合は、早めの専門医受診をお勧めします。
※公開/更新日: 2023年2月3日 17:40