心療内科・精神科とよだクリニック

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精神科の視点から見る、ストレス症状の対処法

精神科の視点からストレス症状の対処法についてコラムです。

私たちの現代社会は、多忙な日常、情報過多、社会の変化とともに、多くの人々がストレスを感じる場面が増えてきました。ストレスは心と体にさまざまな影響を及ぼすことが知られており、人によって異なることから、一概に「ストレスは悪」とは言えません。

しかし、過度なストレスや長期間のストレスは、精神的な健康や生活の質に悪影響を及ぼす可能性があります。

そこで、この記事では精神科の視点から、ストレス症状とその対処法、精神科を受診するメリットについてお伝えしていきます。私たちが経験するストレスは、心の中の葛藤や外部からのプレッシャーから生じることが多いですが、これを適切に処理・理解することで、ストレスを「生活の質を高めるツール」として活用する道も開けます。

ストレスから生じる心身の症状とその克服の方法など精神科専門医の視点からご説明していきます。

ストレスとその症状:精神科医師の視点

ストレスが引き起こす心身の症状の病名をご紹介します。

1. 精神的症状

不安: 持続的な心配や恐れの感じ。

うつ: 気分のおちこみ、興味喪失、無気力。

集中力の低下: 仕事や日常生活での注意力散漫。

不眠: 入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒など。

2. 身体的症状

筋肉の緊張や痛み: 首や背中などに特に現れやすい。

胃腸の不調: 食欲不振、胃痛、下痢や便秘。

頭痛: 特に緊張型頭痛(肩こり頭痛)が関連することが多い。

もちろんこれらの症状はストレスによる症状の一部であり、さらに多様な症状が考えられます。そして、これらの症状は、適応障害、うつ病、不安障害などの精神疾患と関連があることが知られています。

ストレスがこれらの症状や疾患とどのように関わっているかというと、ストレスは脳の中でストレスホルモン(例:コルチゾール)の分泌を促進させます。このホルモンの過剰な分泌が、脳内の神経伝達物質のバランスを乱すことが考えられています。これが、上記の精神的・身体的症状を引き起こす要因の一つとされています。

また、ストレスは自律神経の働きにも影響を及ぼします。特に交感神経が優位になると、身体が緊張の状態に入り、これが持続することで様々な身体症状を生じさせることがあります。

精神科医師の役割は、これらの症状や疾患の原因となるストレス要因を特定し、それを軽減または除去する手助けをするとともに、ストレスに対する適応力を高めるための治療やアドバイスを行うことです。

ストレス症状があった場合、精神科を受診するメリット

1. 専門的な評価と診断

精神科医師は、患者の精神的・身体的症状を総合的に評価し、その背景や原因を探る経験と知識を持っています。これにより、症状の原因がストレスだけでなく、他の精神疾患や身体疾患である可能性も的確に評価され、適切な診断を受けることができます。

2. 個別化された治療計画の提供

一人ひとりのストレスの原因や症状、生活背景は異なります。精神科医師はこれらの個別の状況をもとに、患者に最適な治療計画を提案することができます。これには、薬物療法、カウンセリング、生活指導など、さまざまな治療方法が組み合わされることがあります。

3. 心のサポートと安全性の確保

ストレス症状やそれに伴う心の悩みは、孤独や絶望感を引き起こすことがあります。精神科医師や関連する専門家との対話を通じて、患者は自らの感情や悩みを共有し、理解や支援を受けることができます。また、自傷行為や自殺念慮などの危機的な状況があった場合、安全性を確保し、適切な介入やサポートを提供することが可能となります。

これらのメリットを受けることで、患者さんはストレス症状の克服や精神的健康に向かう具体的な一歩を踏み出すことができます。

私たちは、日々の生活においてストレスを感じることは避けられない事実と向き合い、それと上手に付き合うための方法を探し続けているのではないでしょうか。そのためには、ストレスの症状を理解し、それに対する適切な対応を身につけることが大切です。