心療内科・精神科とよだクリニック

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睡眠障害と向き合う、不眠症患者様への精神科医のサポート

精神科の視点から、睡眠障害についてのコラムです。

質の良い睡眠は、身体と精神の健康に欠かせない要素ですが、不眠症は多くの人々に影響を及ぼしています。不眠症は単なる「寝付けない」だけではなく、日中の機能や生活の質にも深刻な影響を及ぼすことがあります。

この記事では、不眠症の症状、原因、そして精神科医がどのように患者様をサポートするかについて説明し、質の良い睡眠を取り戻すためのアプローチについて述べていきます。

睡眠障害とは

睡眠に影響が出る病気の総称です。不眠症、過眠症、睡眠時随伴症、概日リズム睡眠障害などが含まれます。

不眠症は、なかなか寝付けない、途中で目が覚めてしまうなどの症状が慢性的に続く病気です。日本人の約5人に1人は不眠症だといわれています。

睡眠障害は、20~30歳代から始まり、中年以降で急激に増加し、40~50歳代でピークを迎えます。中でも最も多いのは不眠症で、20代・30代で「不眠症の疑いが高い」人が6割程度と、他の年代と比べて割合が高い傾向にあります。

睡眠障害の原因とは?

睡眠障害の原因は、環境要因、身体的要因、精神的要因など、さまざまなものがあります。

 環境要因

  • 時差がある場所
  • 寝具や枕が変わる
  • 寝室の温度や湿度
  • 騒音

身体的要因

  • 高血圧や心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、アレルギー疾患などの病気
  • 年齢、性差、頻尿、痛み

精神的要因

  • うつ病
  • 悩みや緊張から起こるストレスの影響
  • 神経質で睡眠にもこだわりやすい性格傾向

また、薬剤の副作用やアルコール、カフェイン、タバコなどの嗜好品も原因となることがあります。

睡眠障害の治療

治療で最も大事なことは睡眠衛生指導(正しい睡眠習慣に関する教育指導)です。次に睡眠導入剤(睡眠薬)の投与となります。従来は主にベンゾジアゼピン系睡眠導入剤を使用してきました。作用時間により超短時間型、短時間型、中間型、長時間型と分類され、症状により使い分けます。

最近ではメラトニン作動薬(ロゼレム)、オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ)等従来の睡眠薬と作用機序が異なる睡眠薬が発売されています。患者様の状態を見ながら使用していきます。

精神科医の役割

睡眠障害は、多くの人にとって身近な問題であり、一晩中寝つけない経験は苦痛に感じるのではないでしょうか。不眠が継続し、日常生活に深刻な影響を及ぼす場合、精神科医のサポートは不可欠です。

以下は、精神科医の一般的な役割と、睡眠障害の治療やケアについての具体例です。

・精神的健康状態の評価

睡眠障害は、精神的な健康に密接に関連していることがあります。精神科医は患者様の精神的な健康状態を評価し、不眠症がうつ病、不安障害、または他の精神疾患の症状と関連しているかどうかを判断します。具体的な例として、不眠症に悩む患者様にうつ病の既往がある場合、精神科医はその関連性を考慮しながら治療計画を立てます。

・個別の治療プランの設定

 睡眠障害は多くの異なる原因によって引き起こされるため、一般的な治療法が効果的でないことがあります。精神科医は患者様の症状と生活状況に合わせて個別の治療プランを設定し、最適なアプローチを提供します。例えば、過度のストレスによって不眠症が生じている場合、リラクセーション法やストレス管理戦略を含む治療プランが提案されることがあります。

・薬物療法の管理

不眠症の治療には薬物療法が適していますが、薬物の選択と使用は専門的な知識が必要です。精神科医は、患者様に適切な薬物療法を提供し、効果と副作用をモニタリングします。たとえば、不眠症に対して抗不安薬や睡眠薬が処方された場合、精神科医は患者様の反応(効果と副作用など)を定期的に評価し、調整が必要な場合に対応します。

・行動療法と認知療法

精神科医は行動療法や認知療法を用いて、不眠症患者様に対して、睡眠の習慣や行動を改善するためのアドバイスやトレーニング、睡眠の質を向上させる手助けをいます。

睡眠障害は個人によって異なる要因に起因するため、精神科医の専門的な知識とケアが非常に重要です。