精神科と聞くと「うつ病や統合失調症などの治療をするところで自分には関係ない」という認識の方がほとんどだと思います。しかし、現代社会において、心の病にかかることは珍しいことではありません。いつ自分自身や家族が症状を訴えてもおかしくないのです。
そして、心の健康(メンタルヘルス)は、私たちの全体的な幸福において極めて重要な役割を果たしています。
心の病も体の病と同様に早期発見・早期治療が大切です。心の病院である精神科・心療内科について、皆さまの疑問が解消できるように紹介していきます。
来院患者様の悩み
どんな悩みを抱えた方が来院されるのか紹介します。
・最近物忘れがひどい
・人混みがこわい
・突然不安や恐怖が襲ってくる
・寝つけない、不眠
・仕事に行くのがつらい
・気が滅入る、寂しい
・急に心臓がドキドキする
・やる気が起こらない
・自分を必要以上に責めてしまう
・赤面、あがり症
・気分に波がある
・お酒を飲んでいないのに記憶が飛ぶ
・脚がムズムズする
他にもまだまだ症状はありますが、その一部を紹介しました。
生活や仕事に支障がなければ、気にしすぎることもよくありませんが、不安な方はいつでもご相談ください。
精神科の介入が必要な症状
特定の症状がある方は、直ちに精神科の診察を受ける必要があります。重度の気分の変動、持続する絶望感、幻覚、自殺願望は、治療の必要がある重大な兆候です。これらの症状の原因を探り、理解することは、早期介入と早期治療にとって非常に重要となります。
精神科と内科など他科の区別
内科やその他の科では主に、身体的な健康問題を扱います。精神科は不安、うつ病、双極性障害、統合失調症などの症状を含む精神的な健康に焦点を当てています。
慢性的な成人病を抱える患者さんの中には、メンタル面の不調を抱え悩んでいる方もいます。身体的不調から内科で治療を受けている場合でも、平行して心療内科や精神科を受診するケースもあります。
家族の役割
家族は、行動の変化や精神科ケアの必要性を示す兆候を特定する上で重要な役割を果たします。突然の社会的引きこもり、極端な気分の変動、薬物乱用、または突然の性格の変化が現れた場合、精神疾患を疑い、早期に専門家のアドバイスや、心療内科や精神科にて受診をするように促すことが大切です。
また、治療は継続して長期にわたる場合もあり、家族や周囲の人のサポートが不可欠です。
精神科における治療
精神科治療には多様なアプローチが組み込まれており、多くの場合、個人のニーズに合わせて調整されます。これらには、心理療法、薬物療法、またはその両方の組み合わせが含まれます。治療法の選択は、診断された状態、重症度、患者の希望によって異なります。たとえば、認知行動療法(CBT)は不安などの症状の管理に役立ちますが、統合失調症の重度の場合には投薬が必要になる場合があります。
精神科はどんなところだろう?と敷居を高く感じていた方もいらっしゃるでしょう。近年、「うつ病は心の風邪」という言葉も耳にするようになりました。
身体が風邪を引けば内科を受診し治療します。心が風邪をひいたときの病院が心療内科や精神科です。身体の風邪をこじらせ肺炎にまでなってしまうと入院になるなど治療に時間もお金もかかります。心の風邪も早期発見・早期治療が重要です。
※公開/更新日: 2023年11月24日 9:43