心療内科・精神科とよだクリニック

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パニック障害の症状:精神科医のサポートについて

精神科の視点からパニック障害の症状についてのコラムです。

パニック障害は、恐怖や不安が急激・発作的に現れ、体験者に大きな苦痛をもたらす疾患です。この記事では、パニック障害の症状、原因、そして治療法について説明し、患者様へのサポートについてお書きします。

パニック障害に苦しむ方々への理解と支援、そして、健康で充実した生活を取り戻すための情報を提供します。

パニック障害の症状とは何か?

パニック障害は、急激に生じるパニック発作を特徴とし、以下のような症状が現れます。

パニック発作の症状

– 突然出現する恐怖感や不安

– 心臓の激しい鼓動

– 呼吸困難

– 動悸や胸痛

– 発汗や手の震え

– 現実感の喪失

身体的症状の例

身体的な症状としては、上記の症状に加え、吐き気や腹痛、頭痛、胸痛、めまい、ふらつき、熱い冷たい等の感覚、逆に感覚がマヒするなどがあげられます。また、吐き気やお腹の不快感、息が詰まる感じなどもあります。これらの症状が同時に発生することで、患者様は非常に苦痛を感じることがあります。

精神的症状の例

精神的な症状には、現実感が無くなり、恐怖感や死への恐怖、自己の制御を失う感覚、気が狂うのではないかという心配などが含まれます。患者様は、自身が重症の病気ではないか、命を失うのではないかという不安に襲われます。

パニック障害の症状が起こる理由

パニック障害の症状は、複数の要因によって引き起こされると考えられています。

生物学的要因

生物学的要因には、脳内の神経伝達物質の不均衡や遺伝的要因が関与しています。遺伝的な要因により、パニック障害が家族内集積(複数の家族に同じ病気が生じる)することがあります。

環境要因

環境要因としては、過度のストレスや外的なトラウマが影響を与えることがあります。過去のトラウマ体験やストレスフルな生活状況が、発作の誘因となることがあります。

精神科医の役割

パニック障害は、突然の強い恐怖感や不安が発作的に起こり、日常生活に支障をきたすことがあります。精神科医は、この症状に専門的なケアを提供し、患者様が健康な生活を取り戻すお手伝いをします。以下は、精神科医の一般的な役割と、パニック障害の治療やケアについての具体例です。

・診断

精神科医は、患者様の症状を詳しく評価し、正確な診断を行います。具体的な症状、発作の頻度、およびトリガー要因を把握することは、適切な治療計画を立てるために重要です。例えば、患者様が広場恐怖(閉所恐怖症)に関連したパニック発作を経験している場合、その背後にある恐怖を特定することが治療の出発点です。

・認知行動療法

パニック障害の治療に効果的なアプローチの一つです。精神科医は、患者に対して認知行動療法を行い、恐怖感や不安を管理し、パニック発作への対処方法を教えます。具体的なテクニックとして、恐怖の階層化、深呼吸、リラクセーション法の訓練が行われます。

・薬物療法

 必要に応じて薬物療法を行います。抗不安薬や抗うつ薬が、パニック障害の症状を軽減します。精神科医は、患者様の個別の状態に合わせて適切な薬物療法を提案し、モニタリングを行います。

・教育とサポート

パニック障害に関する正確な情報を提供し、自己管理スキルを向上させるサポートを行います。また、治療の進行状況をモニタリングし、必要に応じて治療計画を調整します。

・トリガーの特定と対処

 精神科医は、患者様がパニック発作を引き起こすトリガーを特定し、それに対処する方法を提案します。

パニック障害の治療は個々の症状に合わせて行われます。精神科医は患者様のパートナーとして、症状の緩和や心の健康の向上に向けて協力し、持続的なサポートを提供します。

パニック障害は、心の健康に影響を及ぼす深刻な疾患であり、その症状は日常生活に大きな制約をもたらすことがあります。しかし、適切な治療とサポートを受ければ、これを克服することは可能です。

また、単なる心の持ちようで生じるものではありません。この疾患は生物学的な変化に基づくものであり、適切な治療方法が確立されています。