心療内科・精神科とよだクリニック

JR加古川駅の南口から徒歩1分、開業22年の実績

ご予約
お問い合わせは
TEL.079-454-8677

※木曜日、日曜日と祝日は休診
午前 9:00~13:00 × ×
午後16:00~19:00 × × ×

ギャンブル依存症への理解と精神科医の役割

ギャンブル依存症への理解と精神科医の役割についてのコラムです。

ギャンブル依存症は、精神疾患に含まれます。本記事では、精神科医の視点からギャンブル依存症について解説しています。その特徴や周囲への影響について紹介し、精神科医の役割や治療法に焦点を当てます。患者様とその家族へのサポートについてもお伝えします。

 

依存症とは?

依存症は精神疾患の一種です。特定の物事に頼ることをやめられない状態であり、やめようと思っても簡単にはやめられない状態とされています。

 

依存症の代表的な対象には、アルコール、薬物、ギャンブルなどがあります。

依存症になると、その行為を繰り返さないと満足できなくなり、自らの力では止めることができなくなります。その結果、心身に障害が生じ、家庭生活や社会生活に悪影響が及ぶことがある疾患です。

また、依存症は、糖尿病や高血圧のような慢性疾患と同様の状態とも考えられます。放置すればどんどん進行し、やめることで進行は停止します。ただし、長くやめていても気を抜けば再発する可能性が高く、継続したて様々な助けを借りながら、やめ続けることが大切です。

 

ギャンブル依存症について

個人がギャンブルに異常な執着を示す精神疾患です。

依存症の中でも、対象がギャンブルに向けられた場合にギャンブル依存症と呼ばれます。

ギャンブルに対する強い欲求や賭け金の増加、そして個人の財政状況に深刻な影響を及ぼす特徴が見られます。

 

経済的な問題、心理的なストレス、そして家庭内の摩擦などが生じ、これがさらに広がると、うつ病や多重債務、家庭問題、虐待、自殺、犯罪などの社会的な問題を引き起こす可能性があります。

 

このような依存症は、適切な治療と支援を受けることで回復が可能です。しかし、本人が自らの状況を正しく認識できない場合もあり、症状が悪化する可能性や、借金などの問題が深刻化するリスクもあります。

 

ギャンブル依存症に悩む本人はもとより、そのご家族は、専門の相談窓口を活用し、医療機関において治療を検討しましょう。

 

 

具体的な治療法について

 

 ・認知行動療法

ギャンブル依存症を管理するための効果的な方法の一つが認知行動療法です。患者様は自分の思考パターンや行動を変えることで、ギャンブル依存症に対処します。ギャンブルに関連する誘因やトリガーを認識し、それに対処するスキルを身につけることが目的です。

 

・薬物療法

ギャンブルをすることで、脳内のドーパミン神経が活性化、快感を得られます。ドーパミン神経が過剰に活性化された状態が長く続くことで、依存症が生じます。

ギャンブル依存症に関連する神経伝達物質の異常に対処するため、薬物療法が利用されます。薬物療法には、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や気分安定薬が含まれます。これらの薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整える作用があり、うつ病や不安障害などの治療にも使われます。それにより、ドーパミン神経系の活性を抑制し、ギャンブル依存症の症状を軽減する効果が期待されます。

 

・治療の実施

治療は通常、精神科外来で行われます。心理療法、薬物療法、作業療法、生活環境の調整などが患者の状況に合わせて組み合わせられます。治療の過程で、依存症を理解し、それに対処するためのスキルを獲得することが目指されます。

 

ギャンブル依存症の治療においては、患者様本人の自覚が重要です。

依存症を認めることで、治療に向けたステップを踏むことが可能になります。

ギャンブル依存症は、適切な支援を受けることで回復が可能な病気です。

 

 

サポートと家族へのアプローチ

ギャンブル依存症は、患者様のみならずその家族にも大きな影響を及ぼします。

このため、精神科医は家族との関係を築き、家族に適切なサポートを持続的に提供する必要があります。必要に応じて、家族カウンセリングや家族会などのグループへの参加を促します。これは患者様とその家族の回復に効果的な支援となります。