現在てんかんを専門とする精神科医は少なくなっているが、てんかんでは一般人口よりうつなどの気分障害、統合失調症様の精神病症状、発達障害、不安障害などの合併が多く、てんかんを専門とする精神科医の存在が重要であると考えます。当院はてんかん専門医を有する精神科専門医が診療にあたっており、精神科のてんかん専門医の視点で書いたコラムです。
てんかんの症状とは何か
てんかんは、「脳の慢性疾患」で、脳の神経細胞(ニューロン)に突然発生する激しい電気的な興奮により繰り返す発作を特徴とし、それに様々な臨床症状や検査での異常が伴う病気と定義されています(WHO)。てんかんの症状は主にてんかん発作です。発作の形は大脳の電気的な興奮が発生する場所によって、体の一部が固くなる(運動神経)、手足がしびれたり耳鳴りがしたりする(感覚神経)、動悸や吐き気を生じる(自律神経)、意識を失う、言葉が出にくくなる(高次脳機能)などのさまざまな症状を生じます。
精神科医がてんかんの症状を診断する方法と重要性
てんかんの症状を診断するために、精神科医は患者の詳細な病歴を収集し、症状の特徴や頻度、発作のトリガーなどを評価します。また、神経学的な検査や脳波検査などを使用して、診断を確定させることもあります。
精神科医によるてんかんの症状の正確な診断は非常に重要です。正しい診断によって、患者は適切な治療やサポートを受けることができます。また、誤った診断や見逃しは、適切な治療法の選択や症状の管理に影響を及ぼす可能性があります。
一般的なてんかんの症状とその特徴
てんかんの症状は、個人によって異りますが、一般的な症状には以下のようなものがあります。
・発作: てんかんの最も一般的な症状であり、突然の脳の異常な神経活動によって引き起こされます。発作は、異常な感覚、筋肉のけいれん、意識の喪失などを伴うことがあります。
・感覚の変化: 発作が始まる前に、一部の人は予兆を感じることがあります。感覚の変化、不快感、妄想などの形で現れることがあります。
てんかんの症状にはさまざまなタイプがあります。部分発作では、特定の身体部位のけいれんや感覚異常が現れることがあります。一方、全般発作では、全身のけいれんや意識の喪失が起こることがあります。また、発作は一度きりで終わる単発性のものや、繰り返し起こる反復性のものがあります。
症状の頻度や重さはも人によって異なりますが、これらの症状は、患者の日常生活や社会的な機能にも大きな影響を与えることがあります。
てんかんの診断と症状の管理
症状がある場合、精神科専門医は適切な診断と治療を行います。まず、詳細な病歴の収集が行われます。患者の症状や発作の特徴、トリガーとなる要因などを詳しく尋ねることで、診断のための情報を収集します。また、神経学的な検査や脳波検査なども行われることがあります。
てんかん症状の管理
てんかん発作の抑制のためには生活指導が欠かせません。服薬順守は言うまでもありませんが、「寝不足、過労、深酒」は発作の3大要因要因です。このため、ライフスタイルの変更やストレス管理についても指導いたします。規則的な睡眠、健康的な食事、適度な運動など、バランスの取れた生活習慣がてんかんの管理に役立ちます。
また、ストレス管理やリラクゼーション法の実践も、発作を軽減するのに役立つ場合があります。これらの方法は、ストレスや不安を軽減し、発作のトリガーとなる要因を減らすことで、症状の管理に効果をもたらすことがあります。
家族へのサポート
症状を抱える患者とその家族には、サポートと情報提供が必要です。てんかんの理解と受け入れ、適切なサポートネットワークの構築が重要です。精神科専門医は、患者と家族にてんかんの症状や治療法についての教育を行い、必要な情報を提供します。また、患者が症状によって生じる心理的な負担や日常生活の制約に対処するためのカウンセリングや心理療法も提供されることがあります。
とよだクリニックのサポートについて
「とよだクリニック(精神科)」は、てんかんの症状を専門的に診断し、適切な治療を提供致します。
経験豊富な精神科専門医でありてんかん専門医である院長が、患者の状況に合わせた丁寧なケアを行います。患者と家族のプライバシーと信頼を重視し、健康な生活を送ることができるようサポートしていきます。
※公開/更新日: 2023年5月31日 14:32