精神障害と発達障害の違いについてのコラムです。違いや共通する接し方などご紹介致します。
WHOのICD-10、米国精神医学会のDSM-Ⅴともに、知的障害と発達障害,ここで精神障害と表現する精神障害(狭義)を含めて精神障害(広義)と呼んでいます。
わが国の行政は発達障害、知的障害、精神障害(狭義)を各々独立したものとして扱っているので、このコラムでは狭義の精神障害と発達障害の違いについてお話します。
精神障害は、統合失調症、うつ病、パニック障害、PTSD(心的外傷ストレス障害)、依存症、認知症など様々なものがあります。
症状も、幻覚や抑うつ、不安、意欲の低下、不眠、食欲減退・・・などの病気があり、お薬などで治療可能です。
発症年齢は25歳以下が7割といわれ、若い人の発症が多い反面、うつ病など働き盛りの世代に増えています。また、高齢化に伴い認知症患者も増加しています。
厚生労働省が実施する患者調査では、年々患者数が増えています。
ワースト3はうつ病、不安障害、統合失調症ですが、病院を受診した人のデータであるため、実際はもっと多く精神障害に苦しんでいるのではと考えております。
次に発達障害ですが、先天性の脳の働き方に違いがあり、発達の偏りによる障害を指します。
幼児期からその特徴があらわれ、大きく分けると自閉症スペクトラム障害(自閉症又はアスペルガー症候群)、学習障害(読字障害、書字障害、算術障害)、注意欠如障害(ADHD)に分けられます。
外見からは分かりにくく、自分勝手、わがまま、怠け者など誤解をされることも多いのが特徴の一つです。発達の違いがあり、どこからが障害なのかという明確な判断は難しい場合もあります。得意と苦手の差が大きい場合は発達障害の可能性も考えられます。
幼い時は少し変わった子という認識でも、学習障害がないと見逃されてしまい、仕事を始めるようになって会社や組織になじめず発達障害と診断されるケースもあります。
このように、精神疾患と発達障害は別の疾患ですが、併存する場合もあるため、気になる症状がある場合は専門医への相談をおすすめいたします。
※公開/更新日: 2022年12月12日 13:30