心療内科・精神科とよだクリニック

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身体が震える症状の背後にある病気について

「最近、なんだか身体が震える…」と感じていませんか? このような症状は、日常生活におけるストレスや疲労が原因の場合もありますが、実は背後に様々な病気が隠れていることが考えられます。これらの疾患では、自律神経のバランスが乱れ、震え、動悸、発汗などの症状が現れるのです。また、パーキンソン病や本態性振戦といった神経内科的な疾患でも震えが見られるため、原因を特定することが重要です。

今回の記事では、身体の震えを引き起こす可能性のある疾患について書いていきます。

 

1.震えの背後にある病気の理由

 

身体の震えは、一見すると単なる疲労や緊張によるものと捉えがちですが、その原因は多岐にわたります。特に、精神科や心療内科で扱う疾患と関連が深いのが、自律神経系の乱れです。

自律神経は、私たちの意思とは無関係に、呼吸や消化、心拍数などを調整する重要な役割を担っています。ストレスや不安、抑うつといった心の状態が不安定になると、バランスが崩れやすくなります。その結果、交感神経が過剰に働き、身体が緊張状態になり、震え、動悸、発汗といった症状が現れることがあるのです。

 

例えば、不安障害では、特定の状況や対象に対して過剰な不安を感じ、その結果として身体の震えや呼吸困難、めまいなどを伴います。パニック障害の場合、予期せぬパニック発作によって、激しい動悸や呼吸困難と共に震えを感じることがあります。

 

うつ病では、気分の落ち込みや意欲の低下だけでなく、身体症状として震えや倦怠感、食欲不振などが現れることがあります。これらの精神疾患は、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが関与していると言われており、自律神経系を通じて身体症状を引き起こすと考えられています。

 

また、精神的な要因だけでなく、パーキンソン病や本態性振戦のような脳神経内科的な疾患でも震えは重要な症状です。これらの疾患は、脳の特定の部位の機能異常によって運動制御がうまくいかなくなり、結果として震えを引き起こします。そのため、震えの原因を特定するためには、精神的な要因だけでなく、身体的な要因も考慮に入れる必要があります。

 

 

2.震えの症状を伴う疾患の具体例

身体の震えは、その原因によってさまざまな疾患が考えられます。精神科や心療内科領域、脳神経内科領域など、多岐にわたる疾患で震えが症状として現れることがあります。

以下に、具体的な病名とそれに関連する震えの症状について解説します。

 

  • 社交不安障害(社会不安障害)

症状: 社会的な状況や人前での行動に対して、過度な不安や恐怖を感じる障害です。プレゼンテーション、会議、初対面の人との会話など、注目を浴びる状況で、強い不安や緊張が生じます。

震えの症状:手や声の震えが主な症状として現れます。特定の状況下でのみ震えが生じることが多く、日常生活を送る上で支障となる場合もあります。心臓がドキドキしたり、発汗したり、赤面したり、自分の意思ではコントロールできません。

 

 

  • パニック障害

症状: 予期せぬパニック発作が繰り返し起こる疾患です。パニック発作は、激しい動悸、息切れ、めまい、吐き気などの身体症状を伴い、強い不安や恐怖を感じる状態です。

震えの症状: 全身の震えを感じます。発作が起こるのではないかという不安(予期不安)から、常に震えを感じる場合もあります。

 

 

  • うつ病

症状: 気分の落ち込み、意欲の低下、興味や喜びの喪失などが主な症状ですが、身体症状を伴うこともあります。不眠、食欲不振、倦怠感、集中力の低下などが現れます。

震えの症状: 手や身体の震え、特に微細な震えがみられます。倦怠感や身体の重さ、だるさと共に震えを感じることもあります。

 

 

  • パーキンソン病

症状: 脳内の神経伝達物質であるドーパミンの減少によって、運動機能に障害が生じる進行性の疾患です。動作緩慢、姿勢保持の困難、歩行障害などが特徴的です。また、表情が乏しくなったり、声が小さくなったりする症状も現れることがあります。

震えの症状:安静時の震え(特に指先や手足)、筋肉のこわばりが見られます。

 

これらの疾患以外にも、甲状腺機能亢進症や低血糖など、さまざまな病気で震えが症状として現れることがあります。震えが気になる場合は、自己判断せずに専門医を受診し、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。

 

3.まとめ

今回の記事では、身体の震えという症状に着目し、その背後に潜む可能性のある様々な疾患について書いていきました。精神的な要因、脳神経内科的な要因、あるいは他の身体疾患など、多岐にわたる原因が考えられます。