心療内科・精神科とよだクリニック

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職場のストレスが引き起こす自律神経失調症の症状と対策

あけまして、おめでとうございます。今年もよろしく願いいたします。

職場のストレスは、自律神経のバランスを崩し「自律神経失調症」を引き起こす可能性があります。長時間労働や人間関係の悩みが蓄積すると、体調不良や気分の落ち込みなどの症状が現れることがあるのです。

しかし、これらの問題は対策次第で改善できます。本記事では、職場のストレスが自律神経に与える影響や代表的な症状、そして取り組みやすい対策方法について書いていきます。

1.自律神経失調症のメカニズム、症状、そして対策

(1)自律神経失調症のメカニズムとストレスの関係 

  • ストレスが自律神経に与える生理的影響 

自律神経は、心拍や呼吸、消化、体温調整などの生命活動を無意識にコントロールする重要な役割を果たしています。この自律神経には、活動時に働く「交感神経」と、休息時に優位になる「副交感神経」があり、バランスを保ちながら健康な状態を維持しています。

しかし、職場での過度なストレスが続くと、交感神経が過剰に働き、副交感神経とのバランス調整が崩れる状態が生じます。この結果、心拍数が上昇し、筋肉が緊張し、消化不良や睡眠障害などの身体的な不調が引き起こされるのです。

  •  慢性的なストレスによる神経系の変化

ストレスが長期間続くと、脳内の「視床下部-下垂体-副腎系」が過剰に反応し、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増加します。この状態は、免疫力の低下や集中力の欠如、慢性的な疲労感を引き起こします。

また、自律神経の調整能力が低下し、軽度のストレスでも過敏に反応するようになるため、症状が悪化しやすくなります。これが、自律神経失調症の発症メカニズムの一部です。

(2)職場環境が誘発する自律神経失調症のサイン 

  • 心身に現れる典型的な症状

職場のストレスが原因で自律神経失調症を発症した場合、心身に多岐にわたる症状が現れます。身体的な症状としては、頭痛や肩こり、動悸、過剰な発汗、消化不良などが挙げられます。一方、精神的な面では、不安感、イライラ、意欲の低下、軽度のうつ状態に陥ることがあります。

特定のタイミングや状況で悪化することが多く、職場環境の影響も考えられます。

  •  職場環境に特有の悪化要因 

自律神経失調症の症状が職場環境で悪化する背景には、いくつかの要因が考えられます。

たとえば、長時間労働や過密なスケジュール、終わりの見えない業務量が交感神経を過剰に刺激し、心身の負担を増大させます。

また、上司や同僚との人間関係のトラブルや、ハラスメントなど心理的な圧迫が精神的な不調を引き起こすこともあります。

さらに、職場の物理的な環境、たとえば騒音や冷暖房の過剰な使用、適切な休憩時間の確保が難しい状況も影響します。こうした要因が積み重なることで、症状が慢性化しやすくなるため、環境要因を見直すことが改善への第一歩となるでしょう。

2.自律神経失調症を改善するセルフケアと生活習慣の見直し 

(1)ストレス管理のためのリラックステクニック 

以下の方法を取り入れることで、自律神経のバランスを整える助けとなります。 

・深呼吸法

   鼻から5秒吸い、7秒間息を止め、10秒かけて口からゆっくり吐く方法を実践しましょう。この深呼吸は副交感神経を活性化させ、心身のリラックス効果をもたらします。1日数回行うだけでも、ストレス軽減に役立ちます。 

・マインドフルネス瞑想 

   短時間でも現在の感覚に意識を向けることで、リラックス効果が得られます。業務の合間に、自分の呼吸や周囲の音に集中してみましょう。科学的にも自律神経バランスを整える効果が証明されています。 

・短時間のストレッチ

   肩や首、背中を軽くストレッチすることで、筋肉の緊張を緩和し、交感神経の過剰な働きを抑えます。

(2)規則正しい生活習慣の確立

生活習慣の見直しは、自律神経失調症の改善に欠かせません。

・生活リズムの安定

   毎日の起床・就寝時間を一定に保つことが重要です。特に、就寝前1時間はスマートフォンやパソコンの使用を控え、目から入る光や情報を減らしましょう。 

・適度な運動

   軽度の有酸素運動、特にウォーキングやヨガは副交感神経を刺激し、ストレス解消に効果的です。自然の中での運動はさらにリラクゼーション効果を高めます。

職場のストレスが原因で引き起こされる自律神経失調症は、セルフケアや生活習慣の見直しによって改善が期待できます。また、規則正しい生活リズムやバランスの取れた食事、運動を心がけることも重要です。